第十七話 ページ18
「一通り見て回ったし、全員と自己紹介も出来たよね♪」
『そうだね、あとはタイムリミットを待つだけ……か。』
「……」
タイムリミットを待つ。
即ちそれは言い換えるなら、死を待つということ。
リンタロウくんも新村くんも黙ってしまい、
妙に冷たい空気になった。
『……まあ、わたしも身近な部下を何人か任務で失ったからね。
きっと守りきれなかった報いが自分に返ってきたんだ。
理由はそれで納得できるさ。』
「……」
「……怖くはないのか。」
そう言って新村くんが眉を下げた。
彼のこんな顔を見るのは初めてだな。
わたしも少し下を向いた、こんな情けない顔見せられないからね。
『……そりゃあね、怖いよ。
でも他の人を犠牲にしてまで生きたいなんて思わない。』
「……はぁ、無理に強がるな。」
『えっ？』
「誰だって死ぬのは平等に怖いんだ、
……ましてやこんな状況下では特にな。
だからお前だけが気を張りつめる必要はない。」
「そうだよ。
それにAちゃんは、
周りで人が亡くなるのを何回も見てきたんでしょ？
それなら尚更分かるはずだよ、死ぬってどういう事なのか。」
『……』
震える手を必死に背に隠しながら俯いた。
優しくしないでくれ、死にたくない気持ちが強くなってしまう。
もしここに神崎くんが居てくれたなら……
どれだけ気が楽だっただろう。
その時……
＿＿……キャー！！？
『ｯ！？』
「とりあえず声が聞こえた方に行くぞ。」
どういうことだ？
確かにわたしは狼のカードを引いたのに……
っまさか、
『狼は1人じゃないのか……！』
「なるほどな、確かにそれなら辻褄が合う。」
「ついに、狼ゲームの始まりってことだね……」
＿＿＿
悲鳴が聞こえたのは植物園だった。
慌てて廊下を走り、曲がっていくと……
『ミサキちゃん……！大丈夫！？』
「う、うん。
私は大丈夫……でも、あ、あれ……」
『……そうか。
ミサキちゃん、洗面所まで付き添うから行こう。』
「あり、がと……」
植物室のドアの前に座り込んでいたミサキちゃんの目線の先には……
海堂さんの死体があった。
わたしは懐からハンカチーフを取り出すと、
サッと海堂さんの顔に優しく掛ける。
ここまで来て、
やっと今このゲームの意図が分かった様な気がする。
わたしは酷く顔色が悪いミサキちゃんの背に手を当てながら
ゆっくりと洗面所のある一階へと降りて行った……
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朝倉 - 凄い面白いです!そうしろうと夢主ちゃんの距離感大好きです!!更新がんばって下さい応援してます! (2018年10月31日 22時) (
レス) id: ea1d87dedf (このIDを非表示/違反報告)
夢 - え。普通に好きです。ソウシロウの夢小説作ってる方少ないから嬉しい！頑張ってください！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3b3cdc241a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2018年10月28日 14時
