温故知新 [轟焦凍]

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由佳がそう言うと轟くんは顎に手を当てて真剣な表情で考え始めた。ちょ、そんなにマジにならなくていいから！！！！！！


「...かわいい奴だとは思う」


彼から絞り出された答えは私の顔を真っ赤にするのに十分すぎるエネルギーを含んでいた。
すると由佳が口を開く。


「...ほぉ〜？

それは私のかわいいかわいいAを奪うという宣戦布告で宜しいのかな？」


ちょちょちょ由佳！！ヒーロー科相手に喧嘩売らないで！！！！


「そうとらえて貰っても構わない」


『ちょ、なに言ってんの轟くんんんんん！？』



結構この後由佳と轟くんに挟まれながら登校した。周りからすごい目で見られた気がする。そりゃそうだよねこの三人の空間だけ異質だもの。




********


「そういえばAは何組だ？」


下駄箱で轟くんに投げかけられた質問。


『I組！経済科だよ！！由佳も同じクラスなんだ〜！』

「まあ私ら一心同体だから」


由佳はバチバチと轟くんと火花を散らしながら、私の腕を掴んだ。どんだけ敵対してんだ。


「...ふーん。そうか。」


そう言って轟くんは何故か私の空いているもう片方の腕を掴んだ。


『...ん！？』


「俺だってもっとAのこと知りたいし仲良くなりたい。その気持ちは負けねえ。」

サラッと彼はイケメンなことを言う。いやら実際にイケメンだから何を言ってもイケメンだけど。



『だっ、だからって対抗しなくても！！！』


すると由佳がニヤニヤしながら、


「え？何A照れてんの？もしかして、轟くんのこと好___『あああああああ違う違う！！そんなんじゃないから！！』



やはりここの三人だけが異質だ。

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