黒バス成り代わり 2 【花宮真】 (ページ2)

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52話ページ2

氷室に勇気づけられて、
胡座をかく氷室の上に向かい合う形で座っている私。

ふと思った。この体制まずくない？

｢おい、いい加減離せ｣
｢もう？もうちょっと良いじゃ、いひゃいよー｣

離す気配のない氷室のほっぺを引っ張る。
意外と柔らかいな…じゃない。

｢風呂、入りたいんだけど。｣

｢…………………｣

｢おい、何想像した。目潰しするぞ｣

ほっぺから手を離しピースすると態とらしくきゃーっと言って離してくれた。

｢じゃあ真、扉の外の座椅子で待ってるから｣
｢悪いな。すぐ出てくるから｣
｢ごゆっくりー｣

ぴしゃんっと閉められた扉を戸棚1枚挟んでさっさと服を脱ぐ。
着替えと晒し、タオルがあるのを確認してからお風呂に向かった。

｢ふ〜〜｣

とても良い湯だ……
体の芯から温まる、が長居するのは氷室に悪いので上がることにした。

明日は皆でストバス。
今吉さんはどれだけバスケが上手くなっているのだろう？とても楽しみだ。
着替えを済ませ、氷室が待っているであろう椅子に向かう

｢氷室、お待たせ｣
｢あ！まこっと!?｣
｢え、なに?｣

こちらを見て固まる氷室。
なんだ、服装が変だったか？
サラシもきちんと巻いてあるし、長袖長ズボンだ。自分の体を眺めているとポタっと髪から水滴が落ちた

｢風邪ひくよ！ドライヤーかけてあげるから！来て！｣
｢いや、いいのに…｣

いきなり復活した氷室にグイグイ引っ張られながら脱衣所に戻る
洗面台の所まで連れていかれ椅子に座らされた。有無も言わさずドライヤーをかけられる

｢もー、風邪ひいちゃったら大変でしょ？熱かったら言ってね｣
｢ん｣

優しくドライヤーをかけられる。
人に髪を乾かしてもらえるだなんて一体いつぶりだろう。
最初は自分でやろうかと思ったけども、鏡越しに見る氷室はぷりぷりしながらもどこか嬉しそうだったので好意に甘えることにした。

｢ふあ｣
｢眠い？｣
｢ん｣

暖かい風に優しく髪をすかれる感覚に眠気を誘われる

｢はい、おしまい｣
｢ありがと｣

どういたしまして、と微笑まれた

平和だ……部活ではカリカリしているし、実家はあんなんだから休まるどころじゃないし
久々に平穏に時間が過ぎて言ってる気がする

｢真、戻って寝ようか｣

ゆっくりと大部屋に向け足を進める
大部屋では既に寝ている人もいればはしゃいでる人も居て様々だ
そそくさと自分たちの布団に入り寝る体勢になる。

｢明日楽しみだな｣
｢そうだね、とても楽しみだ。おやすみ｣
｢ん、おやすみ｣