黒バス成り代わり 2 【花宮真】 (ページ1)

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51話ページ1

脱衣所で氷室に抱きしめられている。

なんで？
扉を1枚挟んだそこは廊下。誰がいつ入ってくるかもわからない。

｢おいっ何考えてるっ人が入ってきたらどうすんっ｣
｢大丈夫。清掃中って看板置いてと鍵かけてきた。｣

慌てて引き剥がすように腕を突っぱねるが難なく抑え込まれた。

｢!?｣
｢真。力じゃ勝てないぐらい君もわかってるでしょ｣

は？いきなりなんなんだ、こいつっ
お前も女としての私を馬鹿にっ

力がなきゃバスケが出来ないってバカにするのか……？

完全に抑え込まれた腕。いくらか余裕そうな氷室。

力量差に無性に悲しくなったが次に浮かんだのは憤怒。

突っぱねていた腕をひいて、体重が傾いた瞬間に足を引っ掛ける。

｢わっ｣

いきなりの事に対応出来ない氷室を床に叩きつける。
すかさず上に乗って氷室を押さえつけ睨む。

｢はっ腕押さえ込んだくらいで調子乗んなよ｣

何も言わない氷室を睨みつけると
次の瞬間へらっと笑う氷室。

｢うん。｣

呆気からん

｢…は？｣

｢全力で押さえつけたのに今は真に抑え込まれてる。｣

ニコニコと笑顔で続ける氷室。
意図が見えない、イラつく。

｢…何が言いたい｣

低く唸るように問いただすと真っ直ぐとこちらを見て氷室は口を開いた。

｢強さは、力が全てじゃないよね｣

｢！｣

なんだよ。
そういう事かよっ

｢はーーお前なあ…強引すぎ｣

一気に力が抜ける

｢ふふっ、だってこうでもしないと真納得しないでしょ？｣
｢だからって、……頭打った？｣

氷室の頭に手を添える

｢平気、本当に真は強いね。｣

そう言って腹筋を使って起き上がる氷室
上には私がまだ乗ってる。

｢ちょっまっ｣

体制が後ろに崩れる。

｢ぎゅー｣
｢んだよ。｣

背中に回った逞しい腕に抱きしめられる。

｢真は抜きんでて強い。相手からボールも奪えて、フェイントで選手を抜くのは早いし、シュートフォームを幾つも打てる。すごい強いよ。
それに司令塔として優れてる。
だから、
パワーでカバーできなかったら俺を使って？頑張って沢山食べて、運動して力つけるから。｣

氷室の決意が見えた。

｢……お前でも叶わないパワーのやつが現れたら？｣

｢……うーん｣

そう来るとは思っていなかったみたいで、悩み始める氷室。
真剣に悩む姿に愛しさを感じる。

｢2人で乗り気んぞ｣
｢！真とならどこまでも出来る気がするよ｣

｢…投げて悪かったな｣

ニコニコと見てくる氷室

｢だーーっありがとう！｣
｢どういたしまして｣