3話 ページ3
今日の夜、蘭さんと、竜胆さんと食事に行く。時間までに準備をしておく。
家で待っててと言われたが、一体どこへ行くつもりなのだろうか。
そんなことを考えているうちに、家のチャイムがなる。
私は急いで、階段を降り玄関の扉を開ける。
そこには、バイクに乗った2人がいた。
「きょ…今日はよろしくお願いします、」
「俺の後ろ乗って。落ちないようにちゃんと捕まっててね〜」
そういって、蘭さんのバイクの後ろに乗らせてくれた。落ちないように捕まってる分、距離が近い。
しかも、蘭さんの匂いがよく分かる。甘くて優しい匂いがふわりと香る。
「もうちょっとちゃんと捕まった方がいいよ〜」
私は、さっきよりも強く蘭さんに捕まった。さっきよりもさらに距離が近くなって、私はずっと緊張したままだった。
「着いたよ」
到着した場所は一般庶民の私には似合わないような高級料理店だった。
見慣れない景色に呆然とする私に、弟の竜胆さんは私に声をかけた。
「ほら、ササッと入るぞ。」
そういって、竜胆さんに背中を押され、店内に入る。外観も内装もちゃんとしたつくりのその店は、私には緊張で、一瞬呼吸の仕方を忘れさせた。
「ここここここここってお高いんじゃ?」
「あ?そうでもねぇだろ。こんな店よく行くし。
まぁ、金の心配ならいらねぇぜ。俺らの奢りだ。」
え???なぜ???今、私たちが食事をしようとしている理由は昨日のお礼のはずでは?その場合、会計は私持ちになるはずだと思っていたのだが。
情報量が多すぎて、上手く処理できない私を他所に、二人はどんどんと前を進んでいく。
「ほら着いてきなよ〜」
変わらぬ笑顔で私の腕を引っ張って前に進ませる。
席に着くと、2人はメニューを見てどんどん注文したいものを決めていく。
私は、まだ目の前で繰り広げられている展開に上手く馴染めずにいた。
私がよく行く、自分で焼く食べ放題の店とは違い、2人が連れてきてくれた店は、人生で1回も来たことの無い、シェフが目の前で焼いてくれる焼肉店だった。
「Aはどうする〜?勝手に決めちゃってもいい〜?」
「ななななななんでも大丈夫です!!」
目の前で焼かれたお肉が、自分の皿に出されたので、口に入れると、今まで食べたことの無いような、旨みが、口いっぱいに拡がった。
美味しそうに食べる私のことを、何故かふたりはニヤニヤ微笑ましそうに笑いながら見つめてくる。
さっきまでしていた緊張も、美味しいお肉とともに消えていった。
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とりお(プロフ) - 枝豆さん» ありがとうございます!頑張ります (2021年9月6日 20時) (レス) id: 18241f83f0 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - 面白かったです!投稿、頑張ってください!! (2021年9月6日 20時) (レス) id: 280e534706 (このIDを非表示/違反報告)
とりお(プロフ) - レイスさん» 灰谷兄弟いいですよねぇ。 (2021年9月3日 0時) (レス) id: 25bcf65374 (このIDを非表示/違反報告)
とりお(プロフ) - セシル??さん» ありがとうございます (2021年9月3日 0時) (レス) id: 25bcf65374 (このIDを非表示/違反報告)
レイス(プロフ) - ん゛ん゛っ灰谷兄弟可愛い、、((グハッ (2021年8月31日 17時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サメサメ | 作成日時:2021年8月6日 18時