・ ページ24
.
「お邪魔します」
リビングに差し掛かると暗い部屋の中、テレビの明かりだけが煌々と光る。
テレビの光に照らされた目黒くんの横顔が、驚くほど綺麗で、そして寂しく見えた。
「どうしたの、Aさん」
目黒くんは私のほうに視線も向けず、そう呟く。
「なんか、目黒くんいつもと違うから気になって」
仕事疲れちゃった？なんて聞くと「別に」とだけ短く返ってくる。
やっぱり今日の目黒くんはどこか変だ。
「じゃぁ、私何かした、？」
思い当たることなんてないけれど、仕事で何かあったわけじゃなければ、私に何か原因があるのかもしれない。
目黒くんは私の質問に押し黙ったまま。
少しすると、小さく下唇を噛んだ。
「…スーツの人、誰」
ようやく私のほうに向けられた視線は、とても冷たくて鋭いものだった。
「スーツの人？」
そう言われても、ピンとくる人物が全く頭に思い浮かばす、聞き返すと目黒くんは、はぁ、と大きくため息をひとつ。
「今日、あそこいたでしょ」
続けて、地名と時間が目黒くんの口から告げられる。
たしかに今日、その時間、その場所にいた。それは確かだ。
「なんで知ってるの？」
「雑誌の撮影、そこのカフェでしてた」
目黒くんはそう言うと、「たまたま休憩中にAさんのこと見つけたんだよ」と続ける。
その時間、その場所、スーツの人…
「あ、スーツの人、」
「誰なの、あの大人の余裕振りまいてる人。すっげぇ嬉しそうな顔してたじゃん、Aさん」
「…あれ、お兄だよ？」
「…は？」
あの時間たしかにその場所にいた。待ち合わせをしたとき、たしかにお兄はスーツを着ていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3332人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さーや(プロフ) - なぎぷちょへんざーさん» 聞きました！月が綺麗ですね、の意味をめめが知ってて衝撃だったんですが？！笑 壁に穴開けよ、がもうめめ過ぎて笑いましたw (2020年4月3日 7時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
なぎぷちょへんざー(プロフ) - この小説お気に入りです！素のまんま聞かれました？お便りの内容を聞いた瞬間この小説を思い出しました、笑 (2020年4月2日 22時) (レス) id: 831076a685 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 夢さん» コメありがとうございます！どういうお話の展開にするか悩んでいたのでそう言っていただけで嬉しいです…！ありがとうございます！ (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - たぴおかさん» アーカイブでひーくんチュロス見ましたがあれはたしかにやばい…！！うどんで盛り上がるスノちゃんたちが可愛すぎました…！ (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。今まで色んな作品を拝見してきたのですが、久しぶりにここまで展開が気になり夢中になって最後まで読んじゃいました。とても素敵な作品でした！ (2020年3月22日 21時) (レス) id: 97d80eb079 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さーや
| 作成日時：2020年3月9日 17時
