再会 ページ20
…カズ！カズがいる！
「わかったから落ち着けって…」
興奮気味の声が頭に響き、それに顔をしかめる。
「カズって…あの下か？」
30センチほど先に、光が漏れてる格子がある。
俺は迷わず進んでそっと下を覗いてみた。
「…ニノ！」
確かに下にニノがいて、部屋の隅っこでうずくまっている。
俺は夢中で格子を外し、階下へ降りた。
「潤くん！」
ニノは驚いた表情をして、それからすぐに安心したように表情を緩めたけど…なんか変だ。
「ニノ、どうした…？」
ニノは、笑っているけどどこか怯えているようで
全く俺に近寄ってこない。
不思議に思って訊ねると、ニノは苦しそうに必死な表情で答えた。
「彼が、出てきそうで…」
震えるニノの言葉にギョッとして、俺は一瞬固まってしまった。
彼っていうのは…聞かなくてもわかる。
カズナリだ。
そう思った瞬間、俺の口が勝手に動いた。
「カズ！」
すると、ニノの穏やかだった瞳が突然鋭い光を帯びて
怯えて小さく縮こまっていたはずが、余裕たっぷりな表情に変わる。
「くはは…久しぶり。」
ニヤリと笑うその姿に背筋が凍る。
「ふぅん…ジュンもそこにいるんだな。」
じっ…と俺の瞳を見るその姿は、ニノだけどニノじゃない。
「時間がないんだ。早く逃げないと…」
怯えている暇はない、と俺がそう伝えると
カズナリはフンと鼻で笑った。
その瞬間、急にガチャンと大きな音を立ててドアが開いて、俺は反射的に体を低くして身構えた。
…けど。
バチバチバチバチッ…
目の前で電流が走り、白衣の奴らが崩れ落ちる。
「だめっ…！」
そのまま躊躇なくトドメを刺そうとするから、俺は慌ててカズナリの腕を掴んで止めた。
「…何で止める？」
カズナリが俺を睨みつける。
理解できない、と首を振るカズナリに、俺は負けじと彼の腕を掴んでいる手に力を入れた。
「…攻撃するのは違うと思う。」
ここで臆したらいけないと思ってそう言うと
カズナリは驚いたように少し目を見開き、でもすぐにクールな表情に戻った。
「…わかったよ。だから離せ。」
急にカズナリは大人しくなって、静かにそう言うからそっと手を離す。
いきなりの態度の変わりようにタジタジの俺を、カズナリが呆れたような目で見た。
「…時間がないんじゃなかったのか？」
「あ、ああ…」
その言葉に、俺は慌ててカズナリの手を引っ張って部屋を飛び出した。
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櫻宮 - なんか…嫌な感じですが。5人(+1人？)ならきっと乗り越えられると信じてます。。全員無事でありますように。そして、全員で笑えますように。。続き気になる！！ (2020年6月28日 17時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます。やっと黒幕と対峙し、お話も佳境です。結末まで、もう少し…かな？笑 (2020年6月27日 7時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - サトシとマサキじゃなくてサトシたちとカズたち会えると良いですね。 (2020年6月25日 15時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 何だか凄く泣けますね。サトシとマサキ無事会えると良いですね。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» 今日は少し多めの５話更新です…！コロナも先が見えずに暗くなりがちですが、嵐さんを見て私も癒されています♪私も「Wash your hands」で楽しみながら手洗いしていますよ〜 (2020年6月24日 21時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
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