消えてしまっても1※ ページ24
自分がこんな体じゃなければきっと今頃幸せだったんだろう。
私は小さい頃から心臓が悪くて、始めは余命3年程度とまで言われていた。でも治療のおかげで私はその余命を大きく超えるほど生きていた。
でも、最近また発作が起きやすくなってしまい急いで病院へ行って話を聞くと私の余命は長く持ってあと3ヶ月だと言われてしまった。
そんな私を支えてくれていたのはキヨだった。キヨがいなければきっと今の私はいないんだろうなと思っている。でもキヨに言うのはとても辛かった。私はどうしても自分の口で伝えるのが辛かったからメモにあと私が3ヶ月しか生きられないということを書いてキヨの部屋を出て寝室に閉じこもった。
気が付いたら寝ていたみたいで起き上がろうとしたら腕を掴まれて自然と隣にいたキヨに抱き締められていた。
『なあ…メモに書いてあったことほんとか…?』
「うん… あと3ヶ月しか生きれないなんて実感無いけどね」
『俺Aがいなくなったらダメなんだよ…』
「私だってキヨがいなくなったらダメに決まってるじゃん…」
するとキヨは急にいいことを思いついたらしくゆっくりと話し始めた。
『なあ、Aの3ヶ月俺にくれない?』
「え?どういうこと?」
『Aが生きてる間にやりたいことを書いてそれを1つずつ叶えていく。俺はそれの手伝いをするって感じかな。どう??』
「いいよ。じゃあ私もそれに合わせて日記書こうかな」
『いいじゃん』
キヨにそう提案された私は早速やりたいことを紙に書き出してキヨに渡した。キヨは全部私のやりたいことを叶えてくれてそして思い出作りもしてくれた。でもそんな幸せな時間は長くは続かなかった。
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作者名:Selena | 作成日時:2020年4月28日 23時