ゆうやけ荘 (ページ11)

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10話ページ11

noside

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翔太「ただいまー！」
照「おかえり」
康二「あれ？亮平は？一緒に行ったんとちゃうん？」
涼太「あぁ、佐久間に連れてかれた」
康二「なるほど」
照「亮平も毎度大変だな」
蓮「ただいま、」
翔太「やっぱり頭良いやつすげぇよなぁ、俺もなってみたいわ」
ゆう「いや、翔太くんには無理でしょ」
蓮「………」
康二「ガチレスやん」
ゆう「あっ、ごめんなさい！」
涼太「全然大丈夫だよ、な、翔太」
翔太「ちょっとショック」

照「あ、蓮おかえり」
ゆう「おかえりなさい」
蓮「あ、うん、ただいま。」
翔太「蓮聞いてよ！ゆうくんが遠回しに俺の事バカって…！」
蓮「知ってるよ、聞いてたし」
翔太「なんだいたの？だったら一言くらい─」

蓮「言ったよ！！！ただいまって、でも、誰もおかえりって返してくれなかったじゃん！！！」
康二「蓮……？」
蓮「……なんで」
ゆう「え……？」
蓮「なんで、どうして？ゆうくん来てから皆おかしいよ！今まであんなに上手くいってたのに、それなのに……！みんなゆうくんゆうくんって。ゆうくんが居やすいようにってそればっか気にかけてさ。……………入ってこないでよ、俺の、俺の大事な家族盗らないでよ！！！」
ゆう「っ…」
蓮「………こんな家、大嫌いだ」

康二「あ、ちょ、蓮！！！！！………俺行ってくるな」
翔太「俺、なんかしちゃったかな…」
涼太「色々思うところがあったのかもね、蓮にも」
照「まったく、しょうがない奴だよ」
ゆう「ごめんなさい……僕のせいで…」
照「ううん、ゆうくんが気にする必要ないよ。何も抱えてない人間なんて居ないんだし。ゆうくんだってそうでしょ？」
ゆう「僕は…何も覚えてないので……」
照「ゆうくんの記憶は綺麗に消えちゃった訳じゃない。どっかに今は隠れてるんだよ、楽しいことも辛いことも、どこかでゆうくんを動かしてる」
ゆう「辛かったことも、ですか…？」
照「うん」
ゆう「……なら、今蓮くんを動かしてるのも、そういうもの、なんですか？」
照「分かってんじゃん」
ゆう「僕には何も分からないです、だから知りたいです、もっと蓮くんのこと」
照「いいよ、って言ってもあんまり話せることないんだよね。滝沢くんの方がよく知ってるんだろうな…」
ゆう「滝沢、くん…？」
照「この家を作った人。今はもう居ないんだけど。俺達の恩人で、親で……家族なんだ」
ゆう「家族…」
照「それで、蓮の話だったね。そうだ、あの日は夕陽が凄く綺麗だったんだ」

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