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なんとか控え室に戻ってこれた。
うん。だいぶ回り道はしたけれど。
試験官だった人は意識を取り戻しており、
へらへらと笑みを浮かべながらこちらに手を振ってきた。
うわ。無視しよ。
別に私が失礼な態度を取ったところで
メロンさんとかキルクスのみんなに
迷惑がかかる訳じゃないし。
「随分と遅かったね。迷子にでもなったかい？」
『ご名答。まぁ迷子になったのは
私じゃなくて"ダンデくん"だけど。』
「はっはっはっ。
いやぁまさかAとこんなところで再会するなんてな！」
『ね。いやほんとに。
…て、どうしたのメロンさん、試験官さんも。』
ひどく驚いた様子で、言葉を失っている2人に対し、
ダンデくんと2人で？？と首を傾げる。
「あんたら知り合いだったのかい？」
たまらず聞き返したメロンさん。
試験官さんは開いた口が塞がらないといった感じだった。
「おいダンデ、どういうことだ？」
「A、説明。」
『えとー、ガラル地方に来る前は
アローラに数年いたって前話したじゃん？
そこでポケモンバトルを教えてくれたのがダンデくん。
でも、私本当にガラル地方のバトル界隈に興味がなくて。
だから試験官さんのことも、ダンデくんがチャンピオンってことも知らなかったの。
ねぇダンデくん。
1番最初に会った時にはもうチャンピオンだったの？』
「あぁ！！
そうだ！キバゴは元気か？」
『相変わらず超元気笑
いつも迷惑かけられてて退屈しない。
今はロッカールームで寝てるんじゃないかな。』
「そうか！じゃあロコンはどうだ？」
"ロコン"
あぁ、そうか。
ダンデくんにポケモンバトルを教えてもらった時の
私の手持ちは、
ロコンと、キバゴだったのか。
『えと、あの子、は。』
「…ねぇダンデ、今日のAの試合はどうだった？」
あぁメロンさんごめんなさい。
あからさまに顔を曇らせた私が悪い。
話題を逸らしてくれたメロンさんに心の中で
感謝を伝え、先のダンデくんの言葉を聞いて平静を保つ。
「Aの戦い方かぁ、6年前とは比べものにならないな！
こおりタイプのポケモンとの相性は今でもバツグンだぜ！
だが、キバナの方が一枚上手だったな。
"もちもの"、なにを持たせてたんだ？キバナ。」
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作者名：志那 | 作成日時：2020年5月13日 13時
