【キバナ】絶対零度 (ページ26)

今日:26 hit、昨日:11 hit、合計:193,178 hit

２４ページ26

「メロンさんに面と向かって感謝されるなんて、明日は間違いなく雷だな。」

そういうと、メロンさんの怒りの鉄拳が顔面に飛んできた。
間一髪でさけると、メロンさんは大笑いしている

あぁ、あの手の早さはメロンさんの影響か、

・

・

・

・

負けた。

その変わらない事実が、私の足取りを重くしてる。

久々に、負けた。

弱くなった訳じゃない。

1年前よりは確実に強くなってる。

なのに、負けた。

私は井の中の蛙だったってこと？

こんな半端な強さで、

一体、何を守れるんだよ。

『……はぁ。』

自分の中にドロッとした感情が渦巻くのを感じた。

いいや。反省は後。

えと、チャンピオンが観客席にいるから連れて来いって言われたんだった。

みればチャンピオンだとわかる服装だ。って

メロンさんは言ってたけど、通路で迷ってからすでに10分が経過してる。

急がないと。

…でも、早く戻ったらあのうざい対戦相手に

また会わなきゃいけないのか。だるいなぁ。

そんな考え事をしていたから。

私は、目の前に走ってくる大きな障害物に気づかなかった。

ドンッ

『わ』

突然角からあらわれたソレに、私は勢い良くぶつかった。

はじき返された私はつい目を瞑って、痛みに備える。

『…………？』

あれ、いたく、ない。

備えていたはずの痛みがこなくて、恐る恐る目を開けた。

「ばぎゅあ！！」

すると、大きくて暖かい体をもった
リザードンが、私を受け止めていた。

突然のリザードンの登場に驚いた私を安心させるように、
リザードンはぐるると嬉しそうに喉を鳴らした。

？「すまない！前をみていなかった！！大丈夫か！」

『…あ、こちらこ………』

頭上から聞こえる声に応えるように顔をあげる。

紫色の髪をなびかせ、私に手を伸ばす、

"懐かしい顔"がそこにあった。

私に向かって、手を伸ばしているのは

私がバトルを始めるきっかけになった、大恩人の

『ダンデ、くん…？』

ダンデくんだった。