【キバナ】絶対零度 (ページ20)

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今日のスケジュールは３時からの調整試合だけ。

一人ずつ順番に戦っていくらしいけど、なんか私の順番は最後みたい。
ジムトレーナーのなかだったら1番強いからかな？

ルールはオータムチャレンジと同じ、2vs2のダブルバトル。

試験官はなかなかの凄腕トレーナーらしくて、
グレイシアとバイバニラの技は一応本気用に調整してきた。

私が第一控え室で暇を持て余していると
突然ドアが開き、メロンさんが顔を出す。

「悪いね、A
思ったよりスムーズに調査試合が進んでるんだ。
予定では３時の予定だったが、もういけるかい？」

『うん、平気。』

「ありがとう。助かる。
それじゃ、いつもアタシが通るジムリーダー用の通路を進んだ先で待機してて？
私が声をかけた同じタイミングで入場する実戦形式だから。」

『了解。ちなみに勝てばいいの？』

「……答えにくい質問だね。まぁとにかくいったいった！」

ドンっとメロンさんに背中を押されて、少しよろけながら、
歩き慣れないジムリーダー用の通路へと、私は進んで行った。

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-キバナside-

10人いるジムトレーナーのうちの9人を倒し終わった時、時計は２時を指していた。

予定時刻よりもだいぶ早い。

これがおあずけをくらって餓えに飢えているガラル最強の
ジムリーダーの実力ってとこだな。と自らの飢餓を鼻で笑う。

前倒しになった、最後のジムトレーナーとのポケモンバトル。

オレはラスト試合に選出するギガイアスとフライゴンと戯れて、
最強と噂されているジムトレーナーが登場するのを待った。

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勝負の瞬間は、突然訪れる。

「キバナ！準備はいいだろうね！！」

「はっ！こっちはとっくの昔に準備万端だぜ！！」

「じゃあ出てきてもらうよ！
A、今のアンタが持ち得る全ての力をぶつけてやりな！！」

ｺﾂ…

ｺﾂ…

ｺﾂ……

対戦相手のブーツの音が、

向こうの通路に反響してオレ様の耳に届く。

「……………………！！！！！」

逆サイドの入場口。

厚手の皮ブーツをｺﾂｺﾂと鳴らしながら、

気怠そうに出てきたのは、

昨日からこのオレ様の心を捉えて離さない

あの透き通った瞳を持つ、あの女だった。