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-キバナside-
ここは早朝のナックルシティジム。
「リョウタ。あと何枚だ？」
「…あと、これ合わせて4枚です………。」
「…オーケー。ん
じゃ、もうお前寝ろ、クマひどいから。
あとはオレ様1人で終わらせる。」
「…上司1人に任せて先にあがるなんてしませんよ。
僕、あと2枚やるんで。そしたら寝ます…。」
「ははっ、悪いな。」
「…これも部下の務めですから。」
今は朝の6時前。
昨日の朝時から始めたはずの仕事は、
リョウタの予想通りに徹夜作業になった。
まぁ、オータムチャレンジの挑戦者の登場の度に、
リョウタやキバナが席を外したことも影響しているかもしれないが。
昨日、今日と予定されていた2日分の業務。
それらは宝物庫の物品整理についての資料のチェック、
各地のダイマックスの頻度についてレポートチェック、
その他もろもろの書類へのサインや許可印の作業。
もちろん、それは全てキバナ本人が目を通すべき大事な資料であり、作業だった。
なんとか7時前には作業をすべて完了させることが出来たが、
リョウタはすぐ控え室のソファに横になり、
自前の徹夜用ブランケットに包まってすやすやと仮眠を取り始める。
我ながら、いい部下を持ったものだとリョウタのありがたさを噛み締めた。
「……ふぁ…、……さすがのオレ様でも、
2日でやるはずだった仕事を１日でやるのは疲れるな…。」
リクダイニング機能がついた椅子に全体重をかけて目を擦る。
約束の時間は11時半。11時にはおそらくエンジンシティに
居てくれるであろう見届け人のダンデを迎えに行き、
そこからリザードンとフライゴンでキルクスタウンへ向かう予定となっていた。
今日戦うトレーナーが楽しみでしょうがなかったはずなのに、
何故か昨日のトレーナーのことが頭から離れない。
が、また次いつ会えるかもわからないトレーナーのことを気にして、
今日の試合を疎かにしてしまうのは、
「……オレ様も少し寝るか………。」
ボールから出したヌメルゴンに10時半に起こしてくれぇと
頼んだ後、来たるべきその時間に備えて意識を手放した。
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作者名：志那 | 作成日時：2020年5月13日 13時
