サキュバスですがなにか。【３】 (ページ9)

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「条件とは…？あんま僕お金持ってないよ。ジュース一本が限界」
「そんな物せびらないわよ馬鹿！えっと…私の事、下の名前で呼んでくれないかな」

恥ずかしそうにそう言う春原さんに、僕は少しだけ驚いた。

「えっ」
「あ、別に変な意味はないんだけど…この前、瑛一に色々助けてもらっていい人だなぁと。それで、今度は私が瑛一を助けたいなって思ってて。もっとみんなと仲良くなりたいし、これからもずっとみんなで楽しく過ごしたいから。ダメ？」

春原さんの思いが、直に伝わってきて、少し胸が震えた。みんなで、ってところが何だが青春って感じでいいなぁ。

「もちろん！これからもよろしくね舞子さん。あと今日はありがとね舞子さん！」

舞子さんが笑う。何かまだ一年も経っていないのに、僕らの周りで色々ありすぎたけど、でもそのたびに僕らの絆が強くなっている気がしてたまらない。今回も、大事にならず僕の杞憂で終わればいいな。

「じゃあ、ちょっと行ってくるね！」
「うん、いってらっしゃい瑛一。良い報告を待ってるよ」

朝日のように笑う舞子さんに、僕も笑顔を向けて扉の方に歩み寄る…。

「えっ僕スマホのパスワード教えてもらってないよ！」
「あっそうだった！」

二人で馬鹿なことをしているなぁ。