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｢…んん。ここは、｣
｢おはようございます。リドル君｣
｢な…！？A…っ！？｣
あの後、荒れ果てた庭の後始末やら怪我人やらと副寮長であるトレイ先輩は寮生に呼び出され連れていかれてしまった
その姿を1人で見送った私は自分以外、誰も居なくなった医務室に残ってリドル君が起きるのを待つことにした
時計の秒針が時刻を知らせるために音を奏でる
脳裏に刻まれた時刻通りに彼は渇いた呻き声と共に重たい瞼をゆっくりと開く
天井から降りかかる照明が眩しいのだろうか
それとも思考がはっきりと定まっていないからなのだろうか
目を細めながら上半身を起き上がらせたその直後、彼は握りしめて離さなかった私の右手の存在を理解したのだろう驚きの声を荒らげる
ばっと、勢いよく手放された自身の右手が行き場をなくし宙を彷徨う
1度、夢で見ていた光景だったがその綺麗な表情が驚きに染まる姿に頬を自然に緩む
触れ合っていた彼の手が離れていき伝わっていた熱が消えて寂しさを覚えた
｢…よく眠れたかしら？｣
｢す、すまないっ。女性の手を、か、勝手に…っ｣
｢ふふふ。別に良いのよ？触り心地がいいのかしら｣
さあ、どうぞ？
と、付け加えた言葉と共にベッドの上で慌て出すリドル君に笑みを浮かべながら離れた手を再び差し出す
朱色を宿した彼の髪の毛が揺れ動く
落ち着きを取り戻そうと咳払いをするその姿を脳裏の映像と照らし合わせながら見つめる
窓の外から差し込む夕方のオレンジ色が私と彼に影を作った
｢A、いつも言っているがそうやってボクを揶揄うのはやめたまえ｣
｢うん、そうよね。ごめんなさい｣
自身の口から溢れでる台本通りの台詞を並べる
着ている衣服の掠れる音が響く
いつもの表情を取り戻したのだろう。灰色の彼の視線が真っ直ぐに私へと突き刺さる
彼の持つ朱色がどうしても姉の持つ赤色と重なって見えてしまう私はどこか可笑しいのだろうか
もし姉と仲良くお喋りができたらきっとこんな感じなんだろうなと思考が呟く
頭のどこかで私はいつも彼を姉のように慕っているのだと思う。本当のお姉様には言えない言葉を彼に向けているのかもしれない
そのおかげなのか、今の短い束の間の学園生活においてリドル君の隣に居ることが、とても心地が良い
｢ふふ。ねぇ、リドル君。私がキスで目を覚まさせてあげましょうか？｣
だから、私は今日も夢で先読みした未来通りの言葉を吐き捨てる。慕う姉に戯れるかのように
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イドラ - この小説はとても面白いです＼(^_^)／ あと黙って隣に立ってなさいのパスワードがわかりません(;。;)教えてていただけると嬉しいです (2021年3月2日 21時) (
レス) id: 4692e257b3 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 時雨さん» この作品を読んで下さりまたコメントまでして下さりありがとうございます！！！そう言って貰えてめちゃめちゃ嬉しいです(＞＜)ありがとうございます！！！これからもこの作品をよろしくお願いします！！ (2020年7月25日 22時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あ、これ好きです(唐突) (2020年7月25日 19時) (レス) id: c7d5c9d13c (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 桜雪さん» きゃあああっ、さゆきちゃんが読んでくれたなんて本当に嬉しすぎるっっ！！！！さゆきちゃんも無理のないようにね！！お互い頑張ろうね！！コメントくれて本当にありがとうおおお！！(＞＜) (2020年7月21日 20時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - あーーーん設定もろとも大好きやっぱり私にとって需要しかないやつ〜すきだーーーーーー！！！！！体調には気をつけて、更新頑張ってね！ (2020年7月21日 20時) (レス) id: ef0eaf48d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年7月19日 23時
