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｢では、私はここらへんでお先に失礼させていただきます、ね…｣
用意された台本通り彼らとの会話を交わし終えた私は座っていた椅子からゆっくりスカートの裾を抑えながら立ち上がる
王族として教えられてきた通りの柔らかな笑みを貼り付け言葉を紡ぐ
一斉に自身に向けられる視線が全身へと突き刺さり、悲鳴をあげ始めるが無理矢理全て聞こえないフリをした。
｢そうか。Aも来てくれてありがとな｣
｢トレイ先輩…、お大事になさってください｣
頬にクローバーの模様を施した先輩の視線と自身のサファイアブルーの目線が絡み合って解けていく
その痛々しい怪我に自身の胸の奥がじくりと声を漏らす
先輩の室内に取り付けられている窓から明るい空色が差し込む
それらを横目に一礼を残し扉から出ようとした次の瞬間、最後の残っていたワンシーンの台詞が投げ込まれた
｢あ、あのっ…、ホワヘル先輩っ！｣
脳裏に残る映像通り、オンボロ寮の監督生でもあるユウさんに呼び止められる
彼女の肩より少しだけ短い黒色の髪の毛がパサりと揺れる
真っ黒の大きな瞳が真っ直ぐに私へと注がれる
彼女の低くもなく高くもない曖昧な声が静まり返るトレイ先輩の部屋の中にこぼれ落ちていった
｢…はい？どうかされたのかしら？…監督生さん｣
｢少しお話があります。…この後、空いていますか｣
にこりと笑みを浮かべながら自身と同じ目線の少女に問いかける
そんな私の問いかけを拾った彼女は瞬時に言葉を付け加えた
夢で見た通り、トレイ先輩の怪我やこの一連の事件について聞きたいのだと少女の目が訴えかけているのを感じる
正義感と優しさに満ち溢れた真っ直ぐの視線に罪悪感に近い感情が渦巻く、すると、
｢ちょ、お、おい。監督生…、まさかさっき言ってたことを…｣
私と監督生さんの間に慌てて同じ1年生でもあるエース君が割り込んだ
リドル君とケイト先輩が何かを考えるような表情を見せる
エース君に遮られてもなお譲ろうとしない主張を握りしめる少女
様々な思惑と言葉がこの室内に吐き出された絡み合い紡がれる
｢そうね…、この後はトレイ先輩のお見舞い用のケーキを作るから…｣
｢夜になったらいらっしゃいな｣
深い深い暗闇に包まれるそんな時刻に私の部屋へ
脳裏に貼り付けられたものと同じ時刻を監督生さん、もといユウさんに伝える
今日、現時点から夜までの出来事が思考内に時間帯ごとに並べられていった
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イドラ - この小説はとても面白いです＼(^_^)／ あと黙って隣に立ってなさいのパスワードがわかりません(;。;)教えてていただけると嬉しいです (2021年3月2日 21時) (
レス) id: 4692e257b3 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 時雨さん» この作品を読んで下さりまたコメントまでして下さりありがとうございます！！！そう言って貰えてめちゃめちゃ嬉しいです(＞＜)ありがとうございます！！！これからもこの作品をよろしくお願いします！！ (2020年7月25日 22時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あ、これ好きです(唐突) (2020年7月25日 19時) (レス) id: c7d5c9d13c (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 桜雪さん» きゃあああっ、さゆきちゃんが読んでくれたなんて本当に嬉しすぎるっっ！！！！さゆきちゃんも無理のないようにね！！お互い頑張ろうね！！コメントくれて本当にありがとうおおお！！(＞＜) (2020年7月21日 20時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - あーーーん設定もろとも大好きやっぱり私にとって需要しかないやつ〜すきだーーーーーー！！！！！体調には気をつけて、更新頑張ってね！ (2020年7月21日 20時) (レス) id: ef0eaf48d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年7月19日 23時
