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「お久しぶりです。A。元気でしたか?」
黒い馬車に揺られてナイトレイブンカレッジに入学した私は闇の鏡に指示をされた通り、海の中に存在を示す、オクタヴィネル寮に配属された。
ええ。海の生き物ですからね。
マナティとかいう人魚ですもんね。
わかってるってば、一応、生まれたのも生きてきたのも海の中だもんね
普通の陸にある寮に憧れてたりなんてしてませんよ。ええ。
新入生の寮決めが終わり、少しばかり子狸が暴れたり魔力を持たない女性が居るなどと問題が巻き起こったがなんとか無事に入学式は幕を閉じた
紫色をふんだんに使った式典服を身に纏ったまま私はオクタヴィネル寮の寮長さまでもある腐れ縁の蛸の人魚、アズール・アーシェングロットと向かい合っていた
式典服のフードのせいで少ししか見えていない銀色の綺麗な髪の毛に薄い青を宿した目を眼鏡の奥から覗かせるという整いすぎてる顔立ちを持つ、寮長さま
2人だけの談話室にそんな彼、アズールの声がやけに大きく響き渡った
その声に反応するように小さく頷くと自身の胸下まであるこげ茶色のクルクルとした癖毛たちが揺れる
アズールの後ろに見える窓から外の海の中の景色が大きく広がっていった
「まあ、あなたは刺されても死ななさそうですしね」
「…どういうことかな。返答次第でその眼鏡かち割りますよ」
挨拶の如く毒を吐くその男に支給されたばかりのマジカルペンをちらつかせながら私の怒りを表現するが、
「さて、本題に入りますよ」
「あ。そうやって無視するんだ。それならアズールの話なんて聞かないからね」
私の言葉に対して無視という返事をした寮長さまはさらりと次の本題へと話の流れを切り替えやがった
海水の流れが視界の隅に映る
澄ましたその顔にイラついたので彼の本題に拒絶反応を示す
マナティはそんなチョロいわけないんだからな。繊細なんだよ
意地でもその話なんて聞いてやんないからな、と思ってはいたのだが、
「いいんですか?あなたなら喜びそうな案件だったのですが」
「……」
「好きなだけ魔法薬の錬金ができると言っても?」
「……」
「材料費も全てこちらが負担しますよ?」
「お礼として、囁かですがお給料も出しますし」
「……その話、詳しく聞きます」
やっぱり
少し、魅力的な話に乗ってみることにした。
チョロいわけじゃないから。ここ重要
これが例の事件を巻き起こす引き金になるなんてこの時の私は思いもしなかったのです
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よる - おちた( ˙-˙ ) (2020年7月27日 23時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 桜雪さん» さっそく覗きに来て下さりありがとうございます!!!こちらこそありがとうございますですよっっ!!これからも何卒よろしくお願いいたしますヽ(*^^*)ノ (2020年6月15日 19時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 眠り猫さん» この作品を読んでくださり、またコメントをしていただきありがとうございます!!!そう言っていただけて嬉しいかぎりです(;▽;)これからも未熟な作品ですがお付き合いよろしくお願いいたしますっ! (2020年6月15日 19時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - あ、もう好き即お気に入りしましたありがとうございました(落ち着け) (2020年6月15日 2時) (レス) id: ef0eaf48d3 (このIDを非表示/違反報告)
眠り猫(プロフ) - おもしろい〜!更新頑張ってください!楽しみにしてます (2020年6月15日 1時) (レス) id: c0bdd88e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂時計 | 作成日時:2020年6月14日 23時