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「…Aちゃん？入ってもいいかな？」
コンコンとドアを叩く効果音が響く
女性の優しげな声が耳を貫く
いきなりの音に意識がふわりと浮上する。
少しの間目を瞑っていたら気がつけばいつの間にやら夢の世界へと誘われていたらしい。
空はすっかりと夜色に染まっていた。
「…は、はっい」
布団に倒れ込むような形に雪崩ていた体を起き上がらせドアの方へと視線を向けると制服を着た女の人が入ってきた。
女性とともに生暖かい空気がエアコンの効いた室内に入ってくる。
見た感じだと、高校生ぐらいであろう女性が柔らかな笑みを浮かべていた。
白色の髪の毛に赤色が混じっている特徴的なヘアースタイルの女性は部屋に入って来るなりくしゃりと笑った。
「ふふ。寝てたのかな？」
「…へっ。あ、お恥ずかしながら…っ」
寝癖がついてるよ、と笑いながらその白い手で私のボサボサとした髪の毛を直してくれた。
前世でも今世でも姉の居ない私には初めての体験で心の奥がこしょばゆい感覚に襲われる。
ありがとうございます、とお礼を伝えながら顔を見つめると
「あ、私、轟冬美。よろしくね」
「遠見Aです。よろしくお願いします」
思い出したかのように自己紹介が始まった。
聞けば、この家には現在、エンデヴァーさんの子供である、高校生の冬美さんと夏雄さん、私と同い歳の焦凍くんが住んでいるらしい。
そして、この家にお世話になるということで家の中の間取り等を教えて貰った。
トイレだったりお風呂場や、台所などなど。
ひと通り、話を聞き終えたら時刻はすっかり20時を過ぎていた。
「ああ！？もうこんな時間っ、ご飯作らなきゃっ」
「Aちゃん！ごめんね。また後で声かけるからお部屋の荷解きしてて」
空腹を感じ始める時刻になっていたことに驚き冬美さんは慌てて台所へと走っていった。
そういえば、エンデヴァーさんの奥さん、冬美さん達のお母さんは居ないのだろうか。
冬美さんがご飯の準備をするであろう雰囲気を感じた私が1番に疑問に思ったことはそこだった。
とりあえず、広い廊下を歩いて自身に宛てられた部屋に戻ることにした。
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砂時計(プロフ) - yuikaさん» コメントありがとうございます。この度はこの作品を見つけて下さり嬉しい限りでございます。そのお言葉を糧に細々と更新をしていこうと思ってますっ、これからも何卒お付き合いのほどお願いします(〃▽〃) (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！思わず一気に読んでしまいました、、、！これからも頑張ってください！！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年1月21日 1時
