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「ふふふ〜ん」
先程、冬美さんに言われたとおり荷解きをはじめ使っても良いと言われた箪笥に少しの衣類を投げ込む。
荷物の片付けも終わらせ手持ち無沙汰になった私は大量に渡された夏休みの宿題に手をつけることにした。
机の上に、持ってきたシンプルな丸い時計を置く。
その横にたくさんの宿題を重ねる。
エアコンから零れる涼しい風が火照った体を冷やしてくれた。
筆箱からお気に入りのシャープペンシルと消しゴムを取り出し、手始めに数式がたくさん並ぶ算数の問題集を解くことにした。
流石、2回目の小学生
それはもう、瞬殺で問題はすぐに解けてしまうレベル。
半分ぐらいは出来たであろうページ数に自慢気に笑みを浮かべる。
このペースで行けばすぐに全部終わらせられるだろう。
達成感が心を満たしていく。
もう少し、頑張ろうかと意気込み再びペンを持つ手に力を込めた瞬間
「…おい」
「…はい」
トントンとノック音とともに少し高めの声が木霊した。
急いで、机から立ち上がりドアを開けると、
「…姉さんがご飯できたって」
初めて見る顔に思考が揺らぐ。
私と同じ高さ150センチぐらいで視線が交わる。
ライトグリーンとグレーのオッドアイが自身へと向けられる。
左目元にあるケロイドが痛みの印象を植え付ける。
赤色と白色が半々のこれまた特徴的なヘアースタイルの少年がぶっきらぼうに言葉を吐き捨てた。
人目で、冬美さんの言っていた弟の焦凍くんであることを見抜く。
伝言を伝えたため、役目は果たしたと言わんばかりの態度でそのまま背中を見せ歩き始めていく少年に
「…っ、私、遠見A！よろしくお願いします」
急いで、お世話になる身として自己紹介をするが
「…どういうつもりであのくそ親父がお前を連れて来たかはしらねぇが」
「俺は、お前と仲良くするつもりはない」
こちらをちらりと見るや否や拒絶の言葉を吐き捨て去っていってしまった。
うん。最近の小学生はませてるのかしら。
おばさん、怖いわ。
凍てつく視線に心が揺らぐ。
何かを憎むかのような目に既視感を感じて心の奥に引っかかった。
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砂時計(プロフ) - yuikaさん» コメントありがとうございます。この度はこの作品を見つけて下さり嬉しい限りでございます。そのお言葉を糧に細々と更新をしていこうと思ってますっ、これからも何卒お付き合いのほどお願いします(〃▽〃) (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！思わず一気に読んでしまいました、、、！これからも頑張ってください！！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年1月21日 1時
