その花が咲くとき【文豪ストレイドッグス】 (ページ14)

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第十三話ページ14

Aたちは、路地裏を歩いていた

『彼が芥川君が熱を上げている虎の少年だったんですね』

「そうだよ」

『そして、探偵社の希望の新人…』

Aは詰まらなそうに呟く

彼女を横目に鴎外は楽しそうに話す

「それにしても、楽しい一時だった。私も童心に返って、異能力で敵をばっさばさと遣つ付けたくなったよ」

「中年には無理」

スパッとその言葉を切るエリス

「ひどーい。」

エリスの言葉に泣く鴎外

暫くして、Aの方に話を向ける

「くっくっくっ、羨ましいかい？」

『え？』

先程から上の空のA

「福澤殿の所に戻りたくなったのでは？」

いきなりの鴎外の質問に一瞬戸惑いを見せるが、直ぐに何時もの様子に戻る

『…それはずっと思ってますよ。』

彼女の言葉に、足を止め、振り返る鴎外

『だけど、私はあっち側には行けません。それをしっかりと理解してます。だから、私は貴方に着いていく道しかないんです…首領』

Aは頭を下げ、鴎外に道を開け、手で促す

路地を抜けた先には、組合の一員、ジェームズの惨殺された姿があった

それを取り囲んでいるのは、ポートマフィアの構成員と、黒蜥蜴、梶井、そして中也

その全員が一斉に片膝をつき、鴎外に敬意を表した

Aは端でその光景を静かに見ている

「これが組合の刺客かね？」

鴎外は中也に尋ねた

「はい」

「探偵社に組合、我々もまた困難な戦局と云う訳だ…最適解が必要だね。探偵社も組合も…敵対者は徹底的に潰して…殺す」