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何も言えなかった。
何で笑ってるんだよ、とか。
こっちは怒ってるんだぞ、とか。
その笑顔が、あまりにも美しすぎて。
俺の目はその笑顔に釘付けになっていた。
今まで一度も見たことのない笑顔。
俺が呆然としていると、アヨンは微笑んだまま俺を見た。
「…ごめんなさい。
おぼっちゃまが、初めて感情をぶつけてくれたのが嬉しくて。」
嬉しい?
俺がアヨンに感情をぶつけたのが?
こいつは、俺のことなんてどうでもいいんじゃなかったのか。
微笑むアヨンに心が乱された。
「おぼっちゃまとか、ダサい。」
「…え?」
「ユンギでいい。あと、敬語もやめろ。」
その時の俺はそんなことしか言えなかった。
アヨンは少し目を見開いた後、嬉しそうに微笑んで頷いた。
「うん。わかったよ、ユンギ。」
初めて呼ばれた自分の名前は、とても温かくて、少しくすぐったい気持ちになった。
俺とアヨンの目が合った。
アヨンは優しく微笑んでいた。
その笑顔を見て、今度はうるさいほどに心臓が音を立てた。
きっとその時、まだまだ幼かったけれど、俺はアヨンに恋をしたんだと思う。
初恋を。
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新作書きました…!
Before good-bye【JN】
ジンくん視点のお話です。
よろしければこちらもどうぞ…m(__)m
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さらんらん(プロフ) - カフェ猫さん» そう言っていただいて感謝感激でございます(泣) ありがとうございます!!ぼちぼちとですが、更新頑張っていきます! (2019年10月20日 11時) (レス) id: 4f7a983637 (このIDを非表示/違反報告)
カフェ猫 - 更新してくれてめちゃくちゃ嬉しいです!このお話本当に大好きなので!続き楽しみにしてます!!! (2019年10月20日 11時) (レス) id: baaac411fe (このIDを非表示/違反報告)
さらんらん(プロフ) - みぃちゃんさん» コメントありがとうございます!!長らく更新できていませんでしたが、これから頑張りますっ! (2019年10月7日 21時) (レス) id: 4f7a983637 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - やったぁ!!嬉しいです^^楽しみにしてます。 (2019年10月7日 21時) (レス) id: fe7848c8c2 (このIDを非表示/違反報告)
さらんらん(プロフ) - ユンさん» 大変長らく更新できず申し訳ありませんでした(泣) これからはまたぼちぼちと再開していきますので、暖かく見守っていただければ幸いです (2019年10月7日 21時) (レス) id: 4f7a983637 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅあしゅあ | 作成日時:2019年5月11日 19時