これが第何章の旅でも ページ3
☆
七星side
2020.1.22
私たちはこの日を迎えるまでに、楽しいこと、嬉しいこと、辛いこと、苦しいこと、悔しいこと、たくさんの出会いと別れも経験した。
本当に長かったJr時代。
でもこれからは、それ以上に長い時間をこの9人と一緒に歩んでいくんだ。
生放送のために早朝に集まったメンバーに挨拶をする。
『おはよう！』
深澤「おはよ。珍しいじゃん、七星が朝から元気なの」
『だって、デビュー日に朝弱いから無理とか言ってられないもん！』
阿部「ははっ！えらいえらい」
そう言って私の頭を撫でる阿部ちゃんは今日も通常運転だ。
最近ファンレターでよく言われる『嬉しいけど離れていっちゃうみたいで寂しい』っていう言葉。
でも安心してほしい。
デビューしても、私たちは何も変わらないよ。
ファンの皆の笑顔のためにどんな仕事も頑張る。
ただ、それだけ。
岩本「俺たちの力、全国に見せつけようぜ！」
「「おー！！！」」
ひーくんの掛け声で気合を入れてから望んだ生放送のパフォーマンス。
3人をメンバーに迎えてから、まだ1年と少ししか経っていないなんて信じられない。
だけど、あの時は想像すら出来なかった場所まで来ることが出来たんだと実感してるよ。
ファンのみんなに感謝の気持ちが伝わりますように…と願いを込めながらサビ前のコココガチャで抜かれた時【ありがとう】って口パクしたんだけど、気づいて貰えたかな？
生放送終了後、SixTONESの楽屋に入る。
田中「おー。姫お疲れ様！今日も可愛いね！」
『はいはい、樹、ありがと』
田中「なんか雑じゃね！？」
『そんなことより、北斗。これ』
北斗「え、なに？」
『いいから受け取って！！！』
戸惑う北斗に封筒を押し付けると、私は逃げるように彼らの楽屋を後にした。
照れくさいけど、手紙を書いたの。
両親には郵送したけど、北斗には直接の方がいいかなって。
私の気持ち、届くといいな。
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作者名：Sakuya
| 作成日時：2020年12月5日 16時
