向日葵の咲くおうち ④【雪】 (ページ6)

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夏を先取りページ6

渡辺side

陽葵『あーつーいー！！！！』

家の中にいることがほとんどだから気づいてなかったけど、もう5月も中旬になり、一気に外は暑くなったらしい。

しかも、今日は30℃越えの真夏日。

そんな中、陽葵はわざわざ外に出て暑いと騒いでいる。

やっぱり子どもの考えることは分からない。

深澤「陽葵、暑いなら部屋の中にいなよ〜」

陽葵『やだ〜！』

深澤「……ねぇ、Aさん。最近、陽葵が俺の言うことを聞かないこと増えてない！？俺の気のせいか！？」

『……き、気のせいじゃないかな？』

目黒「Aさん、目が泳いでる」

『ちょっ、蓮くん！』

深澤「やっぱりAさんも思ってたんじゃん！」

『うっ、ごめんね？陽葵もお年頃なんじゃないかな？』

深澤「保育園ではめっちゃいい子なのに。まぁ、別にいいけど！俺はこれくらいじゃ、めげないからな！」

ふっかのことそれだけ信頼してるってことだと思うけど、そんなこと言ったら調子乗るから黙っておく。

最近、2人の姿見てるとたまに本当の親子かな？って思うもん。

そんないつもと変わらない穏やかな午前中。

雑誌を読んでいると陽葵が近寄ってきた。

陽葵『しょっぴー、あそぼ？』

渡辺「おうちの中だったらいいよ」

陽葵『ひま、プールであそびたい！！！』

渡辺「ねぇ、俺の話聞いてた！？」

陽葵『おそと、あつい！プール！』

渡辺「まだ5月だっつーの！」

陽葵『プール！！！』

渡辺「やだよ！！！」

そんな均衡状態を止めたのは照。

岩本「陽葵、翔太じゃなくて俺じゃだめ？」

陽葵『ひーくん、いっしょにプールしてくれる？』

岩本「うん、する」

陽葵『わかった！ひま、やっぱりひーくんとプールするから、しょっぴーバイバイ！』

渡辺「えっ」

岩本「じゃあまずはプール膨らませないとだな〜。陽葵、佐久間呼んできてくれる？」

陽葵『はーい！』

嫌がったのは自分なのに、なんかすごい負けた気分なんだが……。

プールから逃れられて嬉しいけど、陽葵にあんな簡単にバイバイって言われて、なんかすごい複雑な気持ち。

しかも、照がドヤ顔してくるし！うざっ！