向日葵の咲くおうち ④【雪】 (ページ31)

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その後、いつも通り鏡張りのダンス部専用の部屋で部活をしているとドアが開く音がして、学校で聞こえるはずのない2つの声が聞こえてきた。

陽葵『ラウ〜！！！』

佐久間「ラウーーーーール！！！！」

ラウ「……えっ！？2人ともなんでいるの！？」

陽葵『ラウ、むかえにきたよっ！！！』

佐久間「来ちゃった♡」

ラウ「いやいや、来ちゃったじゃないよ！！！」

陽葵『きちゃ、だめだった？』

ラウ「ダメじゃないけど！嬉しいけど！」

佐久間「もちろん許可はとったぞ！」

ラウ「当たり前！勝手に入ったら不法侵入になっちゃうよ！」

佐久間「顧問変わってなくて良かったわ〜！」

ラウ「あー、さては佐久間くんOBの力使ったな！？」

佐久間「そのとおーーーーり！！！」

なんて佐久間くんとテンポのいい掛け合いをしていると、ひまりんは勝手にぽかーんとしている部員の元へ挨拶に。

陽葵『こんにちは♪いちゅも、うちのラウールがおしぇわになってます♪』

ラウ「ちょっ、ひまりん！どこでそんな言葉覚えたの！？」

陽葵『ないしょ〜！』

ラウ「えぇ〜」

その後すぐに顧問とコーチが来て、佐久間くんがどれほど素晴らしいダンスを踊るのかを語られた。

しかも佐久間くんはそれを否定もせず、嬉しそうに聞いてたんだけど！？

【良かったら終わるまで、もう少し時間あるから一緒にどう？】って顧問に言われて断ると思ったら、普通に「まじっすか！？ぜひ！」なんて俺たちの練習に参加してきた。

佐久間くんは10個も年上なのに、高校生の俺たちの練習に余裕な顔をしてついてきていたので同期が【何あの人、化け物？】と呟いていた。

【佐久間はさすが体幹の鬼。全然衰えてないけどなんかやってんの？】とコーチが聞いたらいつもの笑顔で「そんなわけないじゃないですか〜！俺、ただの会社員っすよ？」と答えて周りを驚かせていた。

【佐久間さんほんとスゲーな】と部員に言われて、自分が言われたかのように嬉しかったのは内緒ね。

ちなみに、ひまりんも一緒に楽しそうに踊ってたよ。

まったく出来てないけど。‪笑

そこはご愛嬌。

部活が終わると、3人で駅に向かい電車に乗った。

ひまりんは踊って疲れたのか俺の膝上で船を漕いでいる。

隣に座る佐久間くんにどうしてわざわざ高校まで迎えに来たのか聞いてみるとひまりんが昼過ぎからラウに会いたいと駄々をこねるので、OBの佐久間くんだったら入れると見込んで来たらしい。