【ハイキュー】ヒロインに憧憬は抱かない

heroine21 ページ21

影山side





最近春川に対する虐めが酷くなっていた。
バレー部は手は出さないけど。


湊川はバレー部を辞めてしまった。
まぁ、怪我させられたら辞めたくもなるか。






春川は部員に距離を置かれていると
わかっているのかいないのか、
部活には顔を出し続けた。





「ドリンク、作ってきますね……」







勿論春川の作ったドリンクに手をつける
奴は居ない。

それを見かねてか澤村さんや菅原さんは
たまにそれを受け取る。







正直俺は会って練習して
ほとんど会話はなかったが湊川は
仲間だと、チームメイトだと思っていた。

信頼関係とかよくわかんねえけど
チームメイトってのは大切なんだ、って
青城との試合で痛感したしな。





原因が恋愛だろうが何だろうが
そいつに怪我させたのは許せない。

原因に興味はない。


曖昧な事実もどうでもいい。







湊川が部活を辞めた。
詳しいことは知らねえけど春川が
関わってんのは確実らしい。

その現実は変わらねえ。









元々春川とはそんなに話さなかったしな。
何が原因で何があったかは関係ねえ。

態度変えるような器用さも持ち合わせちゃ
いねえ。






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席替えをし、この前春川を
助けていた女と隣になった。



.




表情を変えずに淡々と話すそいつ。





変わった奴、それだけの認識だったが
他の奴らとは違う独特の雰囲気が
感じられた。


透明だけどしっかりした、
決して破ることのできない壁のようなものが
間にあるような感じだ。



けどその中のこの前見たような
不器用な優しさが、人を突き放しても
ついて来られる要因なんだろう、と
勝手に考えていた。






冷めた反応にも関わらず
席替えをした後、あいつは人に囲まれていた。

いや、一方的に話しかけられていただけか。









ふ、と見せるわかりにくい笑顔。









「お前も笑うんだな」





「人間だからね
　面白い時は笑うよ」







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冷たい口調には勿体ない
柔らかな表情が頭から離れない。

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