フロイド・リーチになぜか懐かれた。【フロイド・リーチ】【ツイステ】 (ページ9)

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ウツボが8匹ページ9

その後、フロイドを背中から剥がし、
モストロラウンジの荷物運びを手伝っていると、
ジェイドにいきなり話しかけてきた。

「Aさんは随分フロイドに懐かれていますねぇ」
「ジェイド……」

突然なんだ。

異様ににっこりしているジェイドに訝しげな目を向ける。

すると、ジェイドは俺以外に聞こえないぐらいの声量
でとんでも発言をかました。

「まぁ、フロイドはAさんが好きですからねェ」

あ、もちろんライクではなくラブの方で、と言って
あざとくジェイドは両手でハートを作った。

は？

驚きすぎて、ドサリと荷物が手から落ちる。

フロイドが俺を好き？
しかもラブの方って……。

「ジョーク？」

恐る恐る聞く。

「おや、本当ですよ。あまりに気づかれない
片割れが可哀想だったので、つい話してしまいました」

つい(・・)で話す内容じゃないだろ。

そういえば、と、記憶を遡ると、フロイドの行動で思い当たる節が
いくつもある。

ぼっと、顔に熱が集まった。

幸いラウンジの中が慌ただしく動いていて、
周りには気づかれない。

「お前、まじ悪趣味……」

頭を押さえながら、やっとの思いで口を動かす。

「おや、心外ですね」

ジェイドは罪悪感一切なしという笑顔を俺に向けた。

「その様子を見るに、脈はありそうですね。
陰ながら応援してますよ」
「せんでいいわっ！」

とりあえず、落とした荷物を拾う。

俺はこれから、どういう顔でフロイドに会えばいいんだ……。