430＊更新再開しました！ ページ43
ー……………
渡されたパンフレットは良く聞く劇団の名前と
良く知った物語。
人魚のお姫様が、人間の王子様と恋に落ちるお話。
幕が上がればそこは海底の世界で、
一気にその世界に引きづりこまれる。
『…すっ…ごかった…！！！』
浦「さくらちゃん見入ってたもんね。」
直也君が笑いながら私を見る。
幕が降りた会場で、ざわざわとお客さんたちが荷物をまとめて出て行こうとしているなか、私はステージを見つめたまま立ち上がれない。
凄く力を込めて握っていたらしいパンフレットがくしゃっと丸まっている。
圧巻。
感動。
なんて言葉で表して良いか分からないくらい、物語で身体の中が満たされている感覚。
歌って踊って、ステージの上で生きていた登場人物たちの生き生きとした表情が頭から離れない。
映画とは違う、なんていうか、
温度を感じる。
『誘ってくれてありがとう。ハマりそう。』
浦「そう言ってもらえるとこちらも嬉しいです。」
話しながら車に乗って、楽しかったなって1日を振り返る。
浦「俺ね、さくらちゃんのこと本当凄く尊敬してるの。」
『何、いきなり。』
直也くんが急にそんなことを言いだすから、驚いて横をむけば、ハンドルを握る直也くんは相変わらず優しく笑っていて。
ほかのメンバーとはまた少し違う。
大人の魅力にどきっとする。
浦「さくらちゃんは効率が良い方じゃないよね。新しいダンスも仕事も、慣れて上手にこなせるようになるまで少し時間がかかる。」
『うん、早くみんなみたいにできるようにならないといけないんだけど。』
浦「メンタルもあまり強い方じゃないし、精神状態が結構仕事や態度にもでちゃうよね。よく泣くし。」
『反省してます。』
私の言葉に直也くんは相変わらず優しく笑う。
浦「だけど、誰よりもまっすぐ仕事に向き合ってる。その姿勢を俺は本当に尊敬してる。」
『そんなこと、』
浦「時間がかかって当たり前なんだよ。他のメンバーと同じようにできなくて当たり前。だけど、その当たり前をさくらちゃんは絶対言い訳にしないでしょ。」
本当凄いよ、と直也くんが言葉を繋げてくれる。
浦「難しいと思う、きついと思う。だけど、AAAと同じようにさくらちゃんにはソロの仕事にも向き合い続けてほしいって思う。」
『…うん。』
浦「俺、女優七瀬さくらの大ファンだからさ。」
直也くんは、本当に温かくて優しい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 557人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましゅ(プロフ) - おかえりなさい、であっているのか分かりませんが待ってました。本当にこうやってまたsakuさんの執筆されるのが読めると思うとワクワクです。これからもsakuさんのペースで更新していってください。 (2019年8月6日 22時) (
レス) id: eadb1e86ec (このIDを非表示/違反報告)
rano(プロフ) - sakuさんのペースでこれからも頑張ってください！！ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 84b15d4196 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 初めまして。毎日来てはいちから読み直してます！いつも感動させられてます！更新楽しみにしてます！ (2019年4月3日 19時) (レス) id: 7a71984a73 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - さなっちさん» わ〜〜！！気づきませんでしたありがとうございます！修正しました（ ; ; ）頑張りますので完結まだぜひお付き合いください〜〜！更新遅くて本当にごめんなさい！！！ (2019年3月28日 7時) (レス) id: 62025c77a8 (このIDを非表示/違反報告)
さなっち - はじめまして。 この小説、とても共感しました。 お話の番号が395から369になっていましたが大丈夫ですか？ 続きが、すご〜〜〜〜〜く気になります。sakuさん、頑張ってください！応援してます。 (2019年3月25日 22時) (レス) id: c90a3cc57a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：saku | 作成日時：2018年6月18日 20時
