08 Side zm. ページ10
時は明け方、戦後処理とか何やら被害確認の任務で、領土内を休みなく飛び回っていた俺の緑色のインカムが反応を示す。
zm 「どうかしたん？」
総統直々とは、珍しい。
真逆、自身の国に何かあったのかと多少の焦りも含みながら応答する。
gr「いや、何。新しい任務の連絡だゾ。」
zm 「は？」
…やっべ、つい素の声が。と焦る俺を置き総統は気の抜けた声で、会議で決まったことなんかをつらつら並べ立てる。
こちとら、徹夜で飛び回ってんのやぞ…と長い前置きに苛立ち総統に問う。
zm「その犬を探れっちゅうことでええか？」
gr「飲み込みが早くて助かる、その通りだ。」
飲み込みが早いのではなく総統の前置きが長いんとちゃうか…と呆れながら了承の返事をする。
他に何も無いなら、ほんならまた、とインカムの通信を切ろうとするが「それと、」と言いたいことがあるのか引き延ばされる。
gr「エーミールからの伝言だ。犯人は必ず戻ると。」
最後にこんな言葉を残して総統からの通信は切れる。
zm「……うん？」
疑問に満ちた聞き返しの返事は、誰に聞かれることもなく風の音に掻き消された。
しかし徹夜での任務は、身体のパフォーマンスに影響し
大きな危険も伴う。そこで、自分は必ず少なくとも仮眠を取るようにしている。
のそりのそりと疲れ切った身体を動かし、目星を付けていた誰にも見つからぬような洞窟へと足を進めた。
犯人は必ず戻る…心の中で何度かその言葉を反芻しながら、仮眠を取るために狭い洞窟内に身を潜めた。
夏場にはひんやりとした洞窟内の空気が、頭を冷やしてくれる。
色々考えるにはもってこいの環境やな…
くぁ、と欠伸を噛み殺した。
30分寝れれば良い方やろ。と自分の身体が回復する最短時間を仮眠時間と定める。
寝るという行為は、自身の弱点を曝け出すと同じ事。
それが外で、となると尚更だ。
出来るだけ眠りを浅く、手にはナイフを握り締めて。
瞼は重力に逆らえず、落ちてゆく。
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燈霞(プロフ) - 夕凪死苑さん» ありがとうございます！励みになります🙇 (8月24日 19時) (
レス) id: 69b5d9f3f9 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪死苑 - すごい…面白いなぁ、展開が気になります！これからも読み続けますので、頑張ってください！ (8月24日 18時) (レス) @page33 id: 2d1a360a6f (このIDを非表示/違反報告)
燈霞(プロフ) - ゆゆしきさん» そう言って頂けて、嬉しいです！ありがとうございます！！ (2023年2月22日 15時) (レス) id: 9c318345e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - ついつい時間を忘れ読み入ってしまいました、、とても面白いです、、更新応援しています。 (2023年2月22日 3時) (レス) id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
燈霞(プロフ) - tktkさん» ありがとうございます！ (2023年2月10日 16時) (レス) id: 9c318345e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈霞 | 作成日時：2023年2月7日 5時
