19 Side zm. ページ21
勢いを付けて飛び出した俺のナイフを、いとも簡単に受け止めた黒いパーカーの奴。
…何だ、一般人じゃないやん。
一般人なら間違いなく吹っ飛んでいる衝撃を、多少移動しながらも受け止める其奴に一般人では無い事は確信した。
攻撃を繰り出しながら、其奴を建物の影から月明かりの下に誘き出す。先程から何度問うても答える気配の無いことに、対話を早々に諦め実力行使に移った。
舌打ちが聞こえたかと思うと、其奴は今まで手加減していたのかという程素早いスピードで俺から距離を取ると
見たことのない銃に似た形状な物を取り出した。
zm「？なんだアレ。」
自国でも見たことのない装置に眉を顰めていると、黒いパーカーの奴は明らかに俺の心臓辺りを目掛けてナイフを投げてきた。
恐ろしい程の投擲の精度に驚いて目を見開く。
ギリギリで反応して避けたが、それで逃げる隙を与えてしまった。
投げた張本人は、ワイヤーを発射してワイヤーの軌道に乗って俺でも追いつけぬスピードで逃げ果せてしまった。
軌道に乗る前のジャンプは常人を思わせぬ跳躍で、軍か何処かで訓練された人間だろうという事は矢張り一目瞭然だった。
はぁ…と先程乱れた息を一息で整える。
…その時自分のブーツのつま先にコツ、と硬い物が触れた。
zm 「…さっきのナイフやん。」
奴が投げてきたナイフ、それを拾い上げてまじまじと眺める。軍用のアーミーナイフにだって歴史はある。
お国柄だって反映されたデザインになっているのだ。
俺は歴史はちんぷんかんぷんやけど、何か証拠になるやろ…と適当な布で包んでウエストポーチに仕舞った。
zm 「収穫！ナイフ一本！！」
と伸びをして、グルッペンの元へ帰ることにする。
最後に彼奴が消え失せた森をひと睨みする。
zm 「ぜってぇ捕まえたるからな…。」
と新しい玩具を貰った子供のように無邪気で、されど狂気的な笑みを湛えながら呟いた。
ラッキーアイテム
サッカーウェア
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 449人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
燈霞(プロフ) - 夕凪死苑さん» ありがとうございます！励みになります🙇 (8月24日 19時) (
レス) id: 69b5d9f3f9 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪死苑 - すごい…面白いなぁ、展開が気になります！これからも読み続けますので、頑張ってください！ (8月24日 18時) (レス) @page33 id: 2d1a360a6f (このIDを非表示/違反報告)
燈霞(プロフ) - ゆゆしきさん» そう言って頂けて、嬉しいです！ありがとうございます！！ (2023年2月22日 15時) (レス) id: 9c318345e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - ついつい時間を忘れ読み入ってしまいました、、とても面白いです、、更新応援しています。 (2023年2月22日 3時) (レス) id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
燈霞(プロフ) - tktkさん» ありがとうございます！ (2023年2月10日 16時) (レス) id: 9c318345e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：燈霞 | 作成日時：2023年2月7日 5時
