17 Side zm. ページ19
zm「……………んえ。」
ふと意識が浮上する。
目が覚めたら、ふかふかの布団の中…では無くゴツゴツとした硬い岩の上だった。
同じ姿勢を保っていたため身体中が硬い。
はて、今何時やろ…と袖を捲り腕時計を確認する。
余談ではあるが、幹部は割と懐中時計派が多い。だが特殊部隊では一々出し入れなどやっていられない。
zm「…は？」
見間違いかと思い自分の目を擦る。しかし表示される時刻は変わらず、針は夜中を指している。
またトンちに怒られるわぁ…と溜息を吐いて洞窟から這い出る。珍しく寝過ごしてしまった、日頃の疲労が祟ったようだ。
今日は月明かりがあり、視界がクリアだ。
ぐいっと１つ伸びをして戦場跡へと足を踏み出す。
足元の瓦礫が、ジャリ…と音を立てて崩れ落ちた。
暫く歩いていると、人影が見えた。
zm「誰や…あいつ、」
静かな夜には声も響く、つい出そうになった独り言を口パクに押し留める。
相手に気付かれないように、建物の残骸の影に入る。
こんな時間に戦場跡に来るやつに碌な人間は居ない…と考えて、いつ交戦しても良いようにナイフを握る。
黒いパーカーを着た人物は、建物の瓦礫を見上げている。
…そこは軍令部の本隊があった建物の場所だ。
ここで、ふとエミさんからの謎の伝言を思い出す
__________犯人は必ず戻る。
エミさんが言ったことが
大国は徹底的に滅ぼしたし、生き残りの奴なんて捕虜の奴等だけだ。仮に民間人が生き延びていたとして、この時間に…しかも軍令部跡地なんぞに武装して訪れるだろうか？
______否、
そう結論付けた脳内に警鐘が鳴り響く、変に緊張し始めて口の中が乾く。思わず生唾を飲み込んだ。
その時、黒いパーカーの奴は何かに気付いたように動きを止める。
完全に気配は消していた。
d!国の幹部ですら気付かない程に。
しかし其奴は、はっきりと自分のことを認識していたかのように振り向いた。
頭ではまずいと考えているのに、口角は上がる。
面白い奴…と思ってしまう。
果たして、殺さずに此奴を捕えることが出来るだろうか。
そう考えながら、ニヤニヤと上がる口角を抑え
瓦礫の散乱する地面を思いっきり蹴った。
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燈霞(プロフ) - 夕凪死苑さん» ありがとうございます！励みになります🙇 (8月24日 19時) (
レス) id: 69b5d9f3f9 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪死苑 - すごい…面白いなぁ、展開が気になります！これからも読み続けますので、頑張ってください！ (8月24日 18時) (レス) @page33 id: 2d1a360a6f (このIDを非表示/違反報告)
燈霞(プロフ) - ゆゆしきさん» そう言って頂けて、嬉しいです！ありがとうございます！！ (2023年2月22日 15時) (レス) id: 9c318345e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - ついつい時間を忘れ読み入ってしまいました、、とても面白いです、、更新応援しています。 (2023年2月22日 3時) (レス) id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
燈霞(プロフ) - tktkさん» ありがとうございます！ (2023年2月10日 16時) (レス) id: 9c318345e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈霞 | 作成日時：2023年2月7日 5時
