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17.芽生えた感情 ページ17

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「でもそれってさ…私には別に嫌われてもいいってことだよね?」
「いや…あんた本当バカなの??信用してるってことだろ」




佐久早くんの顔を見上げると
いつか彼女の話をしてくれた時みたいに、マスク越しに顔が赤く染まっていた。




「まあ確かに、最初は…そう思ってたかもしれない……」
「そうだよね」
「でも…」




佐久早くんは急に後ろを向いた。
そして一人で何かブツブツと呟いている。




「つーか絶対こんなこと言いたくないし認めたくないんですけど…
こいつすごいつけあがりそうだし…あーでも離れてっちゃうのはもっとやだ。あーやだやだ」





「どうしたの?」
「……Aが、傍にいてくれないのは嫌だ。
元カノに嫌われるよりも、もっと嫌だって思った」
「それって、彼女さんより、私を選んでくれたってこと?」
「はぁ?違うし。いや、違わないけど…なんていうか…」





素直じゃないのかな。それとも、自分の気持ちに自信がない?
それでもいいのかもしれない。
ずっとこうやって彼にぶつかってきた。
それはずっと、無駄じゃなかったのかな。




「わかった、一緒にいるよ」




私がそういうと佐久早くんは私をぎゅっと抱きしめた。




「げ、触っちゃった。除菌シート…持ってたかな…」




いつもの表情に戻る佐久早くんに私も現実に戻されるけど。




「…あのね。別にいいけどムードも何にもないよね」




そう言って私はポケットから除菌シートを取り出して差し出した。




「都合のいい女は、もう嫌だよ?」
「っ、わかってるよ。もう、そんなんじゃない…」



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本当の自分を出しても、怒らないで、嫌がらないで、ちゃんと理解してくれる。
そんな貴重で、大事な存在が都合のいい人なわけがない。
好きだなんて、とても言えないけどね…。
Aは、きっとわかってくれると信じてる。

18.親愛なる貴方へ→←16.本当の自分



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(プロフ) - フェロカさん» はじめまして、コメントありがとうございます!こちらこそ読んでいただいてありがとうございました。楽しんでもらえたならよかったです。これからも更新頑張ります! (2020年1月19日 21時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
フェロカ(プロフ) - 初めまして、佐久早聖臣の小説を作ってくださってありがとうございます。とても最高でした。これからも楽しみにしてます。 (2020年1月18日 23時) (レス) id: e2914cfac7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 赤兎リエ輔さん» コメントありがとうございます!純粋な感じではないのに素敵と言っていただけて嬉しいです。佐久早くん良いですよね!読んでくれてありがとうございました! (2020年1月14日 9時) (レス) id: d956429f3f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんねむさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです! (2020年1月14日 9時) (レス) id: d956429f3f (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ひえ……この決して純愛でも綺麗でもない恋愛の感じ…新鮮で好きですエモいです…。佐久早聖臣の小説少なすぎるので供給ありがたいです〜!とっても面白かったです!素敵な作品ありがとうございました…! (2020年1月13日 2時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年12月16日 22時

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