WILD DOCTORＳ 3

生きている意味 ページ29

「だからね、みおは、月ちゃんは絶対まだ将ちゃん先生が好きなんだと思うの！」

今日のお弁当はサンドイッチ♪
お天気いいから、屋上にあるガラス貼りの温室に来た♪
ポカポカで正解。

「じゃあ寺辻先生は？
　式の時も仲良かったし、この前の夜だ
って…。」

「だから、三年間のこともあるし、変な
魔法使われてるから、私は寺辻先生が好
きって思わされてるんだよ。
それか、申し訳無いとかさ。」

「魔法？プッ…みお大丈夫？」

「大真面目だよ！
とにかく将ちゃん先生に諦めないよう
に言って！
月ちゃんは押しに弱い！
グイグイ来られると弱い！」

「将吉最初は押せ押せだったからな。
押しかけ彼氏だったからな。」

「でしよー！あ、私のプチトマト！
　愁食べたぁ！」

「ごめんごめん、今夜返すから。」

「やた。プチトマトの恨みは深い。」

「体で返す。」

「手を打とう。」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「月は将吉先生のとこ帰りたい？」

「なんでそんなこと聞くの？」

「離れて欲しくない、って言いながら月
を閉じ込めてるみたいに言われるのは嫌
だから。
月の気持ちを知りたい。」

「離れた方がいいの？
　健一郎さん、誰か好きな人が？
　そしたら私ここにいられない。」

「俺は月しかいらない。
　ホントは放したくないよ。」

「それなら放さなくていい。
　寂しいお話しないで。
　私はいる、ここにいる。」

健一郎さんの心が乱れてる…。
悲しんでる。
からだが痛い…。

何ができるだろう。
できないことばかり増えていって、生きてる意味がわからなくなってた時に…、痛い痛いって寝てることしかできなかった私に、それでも生きてていいって言ってくれた人なのに…。
苦しめてしまう…。
ごめんなさい…。

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