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様変わりした古巣 ページ2

タクシーを降りると正面玄関。
バス停が増えて、タクシーのりばも病院の建物に近くなった。
車椅子置き場が近くにある。
全て屋根の下になってる。
患者様の為の病院になっていた。

受付も広く、案内の人数も増えた。
手話対応の人間も増え、車椅子でも対等な目線で話せるように、カウンターの高さは工夫してある。

本当に必要なのは、日本人の心のバリアフリーかもしれない。

「外科の土田先生とお約束をしている八木です。」

受付で告げると、エレベーターの位置と階数の書いた紙を渡された。
受付は特に出入りが激しいから、知らない人ばかりだった。

相変わらず人は多い。

エレベーターはすぐに来た。
大きい箱なので乗れる人数は多いし、車椅子やベッドが乗っても大丈夫だろう。

どんどん人が降りていって、9階は食堂や図書館、外来や付添の方のためのレストラン等、一般の方はここまで。
そして10階は各先生の個室や会議室、院長室、理事会室等がある。

「土田哲也外科部長」

と書いてあるプレートの部屋をノックした。
聞き慣れた声で

「どうぞ。」

と返事があった。
中に入ると大きな窓。
それに背を向けたデスク。
その前には応接セット、そして漂う珈琲の香りが鼻をくすぐる。

「帰りました。」

あまり変わらないその顔に言うと

「おかえり!お疲れ様。」

と言ってから握手された。

「座れよ。」

ソファを進められて座ると、コーヒーを出してくれた。

「頼めばいいけど自分で入れた方が早い。
みんなは勝手に飲む。」

向こうで学んだ医療の話をして、病院のことを聞いた。
自分の個室が隣と聞かされ

「個室なんていらないのに…。」

って言うと

「俺も言ったけどだめらしいよ。」

って笑ってくれるのは変わらない。

「あの…。」

本当に聞きたいことが喉につっかえてる。

「月先生のことならお前と反対側の隣の人に聞け。
 挨拶するんだろ?」

と言われた。
お土産を渡して部屋を出た。
向かって左隣が俺、右隣が寺辻先生。
まずは自分の部屋、受付でもらったカードキーを通した。
ロックが解除されドアを開けた。
土田先生の部屋と同じ間取り。

「広すぎて落ち着かねー。」

独り言を言ってトランクを開けて、ジーパンとティーシャツを出した。
革靴も脱いでスニーカーにした。
クローゼットの中の白衣を羽織った。

「あー、スーツ嫌いっ。」

とはいえ着る機会も増えたし、慣れつつある。

変化→←帰国



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黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - みおさん» そうなんだね〜、けいたんの筋肉の付き方はタカピーたちと比べると、ちょっと違うかな〜とは思っていたけど、愁ちゃんも違うんだね。( ノ^▽^)ノ (2019年2月21日 17時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 黒木蓮(Kuroki・Len)さん» ちぃ絵美ちゃん(=^..^=)ミャー ふと思ったんやけどケジ君と愁の筋肉のつきかたムッチリ型で一緒なの(*'▽'*) バキバキしてないけどどっしりした筋肉って感じかな(^^*) どうでも良いことだけど報告したかったの(^з^)-☆Chu!! (2019年2月21日 17時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - ユキさん» そうなの、夢にたまに出てくるの(*´ェ`*)あの写真集には確かにやられたからね(*´艸`*) 将ちゃーん(ΦωΦ) (2019年2月21日 15時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくよみさん» おかえりなさい(*^-^*) 私もこれから行って来やす\(^o^)/ (2019年2月21日 15時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - 冷蔵庫がピンチだったので嫌だけど買い物に行ってきたぜぃ(^o^)丿 (2019年2月21日 15時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月詠 | 作成日時:2019年2月11日 2時

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