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ページ25

「あら?まぁまぁ、誰かと思いましたわ。
野替社長じゃありませんか。」

店に入ると女将は最初は怪訝な顔で、でも失礼の無いよう

「いらっしゃいませ。」

と近くに寄って来ると驚いた。

「ごめんね、こんなカッコで女将さんの店に来て。
でも知ってる店近くに無いし、
ここなら安心だから。」

「思い出してくださってありがとうございます。
いつもはスーツ姿なので…。
どうぞ、奥のお座敷なら掘りごたつになってますから。
お子さんも楽ですから。」

お祖母様がよくお昼を食べた店。
他の誰も同席しないとここへ来て二人で鰻を食べた。

最初に来たときはこんなものが世の中にあっていいのか!と思った。
それに注文しなくてもいつものですねと女将さんが言って、出てきたのは特上のうな重に肝水う巻きだった。
白焼きも出てきた。

しかも鰻は一面にギシギシに分厚いのが入っているにもかかわらず、さらに真ん中にも挟まれていた。
たれの味は絶妙。
それまでの俺ならタレで飯三杯食べれてた。
金持ちは昼からこんなもんを食ってるから病気になるんだ!
とか思ったりした。

「若いんだからこのくらいお食べ。
 早くあんた達の孫を抱かせて。」

いつもそう言ってくれた。

今は目の前でちび愁が初めての鰻を食べている。
うまいから無言で食べてる。

「ほら、誰も取らねーからゆっくり食え。
鰻だぞ。
いつか自分の力で母ちゃん連れてきてやれ。」

女将さんに頼んで持ち帰り用の鰻の蒲焼を八本頼んだ。
啓司兄さんとこに四本、
良平さんとこに三本
みおに一本
精をつけてみんな元気に暮らせるように子どもたちもすくすく大きくなりますように。

「卵も食えよ、う巻きだ。」

みおはここのう巻きが好きだからそれもお土産を頼んだ。

「ご馳走様でした!」

大きな声で手を合わせて、ちびはすっかりきれいに食べ終わった器を前に挨拶した。
こいつの母親は子供を利用してる最低なやつだけど、ちびに挨拶や返事をしっかり教えたことだけは褒めてやると思った。

盗人にも五分の魂 かもな。

お土産をもらって立ち上がった。

「もう一箇所行ったら帰るぞ。
 食べた分歩かないと豚になるぞ」

「はい!」

色々聞きたいだろうに聞かないでいてくれる。
さすがこの店の女将だ。

「うまかったか?」

「ほっぺた落ちそう。」

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みお(プロフ) - つくよみさん» つくタン(は〜と) どんまいギュ~ウヾ(≧∇≦) (2019年3月10日 19時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくよみさん» モォかなり笑わせてもろたょ(´V`)♪ 大喜利王健在でしたね(笑) でも天然発言のGSさんには勝てないかも(笑)( ^o^) 本人ぼけるつもりなく真面目に言ってるから余計にツボにくる(爆)(^^*) サバゲー配信も楽しみ(=^..^=)ミャー (2019年3月10日 10時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - ニャイ(=゚ω゚=)可愛い(*⌒∇⌒*) (2019年3月10日 10時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - みおさん» よっ!LDHの大喜利王! (2019年3月10日 7時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 黒木蓮(Kuroki・Len)さん» 妊婦さんにはストレス厳禁、笑って過ごせるのが何よりだねo(^▽^)o 皆の変わりに説教しといたからね!(≧∇≦*)  (2019年3月10日 6時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月詠 | 作成日時:2019年2月27日 6時

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