WILD DOCTORＳ

蜘蛛の糸 ページ42

「絵美、この子整形まで。
　月子先生に見てもらうから。
　データは送った。」

「はい、じゃあお手て繋いで行こうか？
ママはどこかな？」

「あの…整形の先生はどんな方ですか？」

「とっても優秀な先生ですよ。
　女医さんなのでお子さんも安心できると思
います。
　心配いりませんよ。」

私の友達ですもの。
優秀に決まってるでしょ。
いちごとスイカでできてるけど。

「こんにちは。
足が痛いのね。
　お写真見せてもらうね。」

骨折と…この影…骨膜炎か。

「骨折してますね。
しばらく固定しますけど、入院でも通院
でもできます。
　お母様は働かれてますか？」

ブリンターまで2、3歩。
書類を出そうとしたら…

「いたっ」

思わず座り込んだ…立ち上がれない。

「大丈夫ですか？」

母親の声に待っていた絵美ちゃんが入ってきた。

「先生？どおされました？」

そう言いながらも椅子に座らせてくれた。

「ゴメンナサイね、から足踏んぢゃった。
(´∀｀；)」

「先生〜頼みますよ。」

絵美ちゃんの笑顔で患者さんも安心したみたい。良かった。

その子は入院で治療、昼間は母親が下の子を連れて付きそうことになった。
手術は無い。
二人部屋に入ってもらった。

「月ちゃん、ほんとにから足？」

「そう、私やるでしょ、色々。」

「確かに。」

でも、かなり痛そうだったけど？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「難しい病気だけど、周りの理解が大切。
　僕も気をつけるし、なんでも言って。
周りには隠さないのがホントはいいけど
僕は患者様に沿うことにしてる。
　どうしたい？｣

｢しばらくは伏せてください。
　時が来たら話します。｣

｢この病気は原因が不明なんだ。
　でも精神的なものが大きいらしくて、
神経質な方とかメンタルが弱い人に多い
んだよ。
　ストレスとか発散できてる？
　年下彼氏じゃ頼りなくない？」

「ああ見えて、男らしくて頼りになります。
　ストレスも癒やされて発散してます。
　お友達も多いですから。」

「うちの秘書ちゃんもだよね？
　伏せるなら気をつけておくね。」

「ありがとうございます。
　お願いします。｣

｢泣ける場所はある？
　いつでも来てくださいね。」

席を立とうとしたら肘を掴まれた。

「痛い？触れても痛いんだよね？
　僕なら優しく守ってあげるから
　我慢しなくていいよ。
　言えなくて我慢しなくていい。
　君のことは全部知ってるから。」

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