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智｢Aちゃん、申し訳ないんだけど、この資料明日までにまとめて貰えるかな？｣
ほんっとに申し訳ないんだけど……っていう表情を全面に出しながら大量の資料を渡してきた大野課長。
眉毛がこれでもかってくらい下がってて、正直小動物感が否めない。
今日はお気に入りのドラマがあるからなるべく早く帰りたかったんだけどな…
｢あ、ぜんっぜん大丈夫ですよ！今日暇なんで笑｣
智｢ほんとごめんね？皆用事あるみたいでさぁ〜｣
｢いえいえ笑 こーゆーの、新人の仕事ですから笑｣
智｢あーまじで助かる。明日の昼までには宜しくね？｣
他の先輩方の、『用事がある』っていう理由が嘘な事に気付いていないピュア過ぎる大野課長に分かりましたって返事をしながら、渡された資料に目を通す。
これを昼までか……もしかしたら、もう今日は会社に泊まり込みになるかも。
本当はあたしだって用事がありますって断りたいけどさ、なんせ入社4ヶ月のあたしがそんな事出来る訳がない。
和｢うぉっ！？何だこの吐き気しそうなほど多い資料は｣
｢あ…さっき大野課長に頼まれて。｣
和｢うーわ絶対徹夜コースじゃん頑張れ〜｣
｢それ頑張れとか１っミリも思ってませんよね？｣
和｢立花ちゃん鋭いね〜でも、どんまいとは思ってるよ？｣
くくっと笑いながらその発言先輩としてほんとどうなんですか？っていう様な言葉を平気で発してくるあたり、二宮先輩らしい。
サボり魔だし朝早く来てると思ったらトランプタワー作ってるし。この人、先輩じゃなかったら絶対1発殴ってる気がする。
和｢あ、お前今心の中で俺の悪口めっちゃ言ったろ｣
｢はっ？大尊敬する先輩の悪口なんか言うわけないし悪い所なんて見つかりませんよ？｣
和｢お前ね、口は笑ってても目が笑ってねーんだよ目が。｣
｢ってゆーか、邪魔しに来ただけなら先輩も自分の机戻って下さいっ｣
和｢いや、俺の机ここだから。笑｣
｢え？でもそこは山下さんの席じゃ……？｣
顔全体に？マークが浮かんだあたしを小馬鹿にするような目で見てきた二宮さんが、盛大な溜息をつきながら隣の席にどかっと座る。
和｢今日から、山下さん産休でお休みなの。んで、お前の指導係俺に変わった。｣
｢…え。｣
和｢なに、そんな嫌そーな顔すんなや。笑｣
和｢これからしばらく、みっちり指導してやっからな｣
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作者名：汐音 | 作成日時：2015年4月13日 20時
