エアリナ＝妖精？ ページ10
「どういうこと、瑠衣？」
流石に私もびっくりして瑠衣の肩をつかんで揺さぶる。
菜津は、何言ってんの？とでも言いたげな顔をしている。
「でもさ、理由が無いとそれっておかしいことだよ？だって普通いないでしょ、妖精」
びっくりしすぎたのか、ちょっと言葉がおかしくなっている菜津。
「理由はあるよ。まず、エアリナは純血の日本人じゃないでしょ？」
「ジュンケツ？」
な、菜津……。
「純血。日本人同士のこどもじゃないってこと」
あー、そういうことか！と菜津は納得したようだ。
「でもさあ、エアリナ、何処の国か、とかはいつも教えてくれない。
それに、異国語をしゃべっているところを見たこともないし、聞いたこともない」
あっ……確かにそうだ。
今までずっと、忘れてた。エアリナが教えてくれないこと。
「でも、それだけ？」
菜津は不満そうだ。私は菜津に言う。
「でも、絵本の妖精を見てさらにリアクションがおかしかった」
そして、私はノートを広げた。
そこには、瑠衣の絵本の紹介文を書いてある。
「へぇ、梨々花、全部メモしたの？」
瑠衣は嬉しそうだ。顔を薄紅色に染めている。
「だって、面白かったから」
「で、エアリナがもっと変なこと言っていたんだっけ、梨々花？」
そうだよ、と私は言う。
「『精霊の塔に向かえ』っていう一文があったでしょ？」
そこで、私はエアリナが、聞き取るもが難しいくらい小さな声で
「精霊の塔……試練。私、行かなきゃ」
と言っていた、と話す。
「それ本当？ だとしたら、エアリナ……」
慌てて外に行こうとする、瑠衣と菜津を私は引き止めた。
「何で止めるの、梨々花！」
「だって、エアリナ、このこと知られたくないんじゃないかって思って。今日、一緒に帰ろう、
って言った後、エアリナ、私たちを避けたじゃん」
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桜雪☆(プロフ) - 奈月さん» コメントありがとうございます！ (2018年6月10日 17時) (
レス) id: 7ff7ae767b (このIDを非表示/違反報告)
奈月(プロフ) - エアリナの考えってすごい。素直にそう思いました。続きが楽しみです(*^^*) (2018年6月9日 14時) (レス) id: b8b2585ba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雪☆ | 作成日時：2017年11月5日 9時
