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え、もう? ページ21

朝倉さんと話した後、エアリナを探した。
「あれー、エアリナ?」

さっきまでは、教室にいたはずのエアリナがいない。
「瑠衣ー、菜津ー、エアリナ知らない?」
私がそういうと
「エアリナ?」
「え、見てないなあ」

二人とも、不思議そうに私を見ながら言った。
「いや、実はさ、エアリナが見当たらなくて……」
「梨々花、今ホームルームの直前……あ」
瑠衣は気づいたようだ。


まさか、朝のホームルーム活動の前にいなくなる生徒はいないだろう。
なのに、エアリナがいない……。

「さ、さっきまではいたの?いなかったんじゃなくて?」
菜津が慌てて言うけれど……、菜津も見たでしょ?
何かあったのではないか。



「エアリナ―?」
「どこ行ったの?」
「いるなら返事して!」
そのことを先生に伝えて、わたしたちは今、廊下を歩いている。
もっとも、教室があるところじゃない。

わたしたちの学校には、何故か旧校舎が残っていて、そっちには変な言い伝えがあるのだ。
――朝の早い時間にそこを訪れたものは、異世界へ飛ぶ。
っていうやつ。

この話を、誰かから(多分朝倉さんから)聞いた時、異世界についての話も聞いていた。
そう、この言い伝えの言う異世界って、妖精の世界。


妖精というか、精霊らしいけど、エアリナがそこに行ったのではないか。
その話を思い出した私は、クラスメイトが止めるのも聞かずに走り出していた。

「このままじゃ、不味い」
思わず、そう言っていた。


「へ、何が?」
同じく走っていた瑠衣、菜津が少し時間を空けて返事をする。
「だって、もしエアリナがそっちに行ったなら、止められないじゃん」

あ、と二人ともいう。
「で、でも間に合うかもじゃん!」
菜津が一番足が速い。
思った瞬間に行動しているのかってくらいの速さで、菜津はスピードを上げて走り出す。

「ま、待ってよー!」
言っちゃ悪いけど、瑠衣は運動音痴。私は普通。
到底、追いつけない。





まさか、もう、エアリナそっちに行ったんじゃないよね……?

こんなの嫌だ→←心から



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桜雪☆(プロフ) - 奈月さん» コメントありがとうございます! (2018年6月10日 17時) (レス) id: 7ff7ae767b (このIDを非表示/違反報告)
奈月(プロフ) - エアリナの考えってすごい。素直にそう思いました。続きが楽しみです(*^^*) (2018年6月9日 14時) (レス) id: b8b2585ba0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜雪☆ | 作成日時:2017年11月5日 9時

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