転生したら妖狐の意地悪な花嫁でした。壱

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「あら、もうこんな時間。そろそろ帰らないとだねぇ」

「あ…そうなの？ごめんなさい、引き留めちゃって」

「良いのよ。こうして貴女とこんなに話せたのはとても嬉しいから。それに…」

「それに？」


「…花梨、貴女が抱いているその気持ち、大事にするのよ。お祖父ちゃんにも今日の事伝えるから。じゃあ、また“明日”ね」

「う、うん！またあ……し、た？」



お祖母ちゃんは、店員さんに予約か何かをした後、店から去って行く。

私はそんなお祖母ちゃんを見送るけど……明日……




……そうだよ！明日じゃん！
鬼龍院家の力、柚子や祖父母の強い気持ち、幸せになる為に
柚子は祖父母の子として養子縁組を結ぶ…！



…その際も、花梨はお姉ちゃんに対しても色々言ってたし、何なら玲夜にも無礼過ぎる発言をしたなぁ……
花梨、瑶太が好き過ぎるのは分かるけど、流石に怖いもの知らずにも程あるでしょ…
とんでもなく強いあやかしの覇気に普通は押されるし……

漫画や小説でも、玲夜に惚れ惚れする女性は大勢…むしろ読者からしてみれば全員なのではないか、と感じたけど……唯一花梨だけは、玲夜に惚れる訳でもないし、何なら瑶太を燃やした玲夜にブチ切れて嫌ってたし……




「ねぇねぇ花梨ちゃんっ！お祖母様と何の話をしてたの？」

「えっ？うーん…まぁ、身内の他愛もない話？」

「そうなの？」



菖蒲ちゃん…ゴメン。嘘です。思いっ切り柚子お姉ちゃんの話をしてました。
何なら、瑶太どころか出来れば妖狐一族全員に聞かれたくない話を！

それに…私、菖蒲ちゃんにもお姉ちゃんの悪口を色々言いまくってたし…
そのせいで、確か小説版の方で、菖蒲ちゃん…お姉ちゃんに対して色々突っかかってた様な…でも何の話だったかすら、思い出せない！

もう前世！重要な部分を忘れがちとか、そういう転生あるあるみたいなのはいらないのよ！



あ、だけど…菖蒲ちゃん、まだお姉ちゃんと面識がないし…
今からでも、花梨のせいで菖蒲ちゃんの中に植え付けられたお姉ちゃんの悪い意味でのイメージ、払拭させられるんじゃないかな？




「ねぇ、菖蒲ちゃ……」



「花梨。あの祖母はもう帰ったのか？」



「……!?」

「あー！瑶太、今折角花梨ちゃんとガールズトークしようと思ってたのにー！」



壁に耳あり障子に目あり
いやあやかし怖い！忍者!?気配全然気付かなかった！


そもそも妖狐自体が、そういう変身能力が得意だった気がする！
き、聞かれてないよね!?そうだよね!?

瑶太と菖蒲と私→←親友とも再会しました。

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