検索窓
今日:2 hit、昨日:35 hit、合計:6,816 hit

ページ22

そんな訳で、瑶太が私の為にピックアップしたという…評判高い喫茶店に入る。

いやしかし……記憶を取り戻した影響なのかは不明だけど、すっごくお高いんだろうな〜…


「ようこそ、狐月瑶太様、花梨様」


いつの間にか予約してたのか〜…普通にテイクアウトして帰るでも良かったんだけどな〜…


「……大丈夫か?」

「え?」

「そんなに悲しい顔をして、そんなに姉が気になるのか?」

「…私は、お姉ちゃんに散々酷い事をしたわ」

「花梨、それはお前ではなく、姉の自業自得だ。お前は特別な存在、それを理解しない姉が悪い」




やめてよ。




「ましてや、お前を傷付けた。お前を泣かせた」




お姉ちゃんは、泣く事さえ許されなかった。




「お前を悲しませる奴は、姉だろうと許さない」




お姉ちゃんは、必要のない我慢を強いられた。




「それに、もう金輪際お前に合わないのなら、清々するではないか」




お姉ちゃんは、毎回家族と顔を合わせる度に苦しそうにしていた。




私は……柚子お姉ちゃんの、妹なのに!
家族なのに……!




私は……





「私は……特別なんかじゃ、ないわ……」





私の、花梨の中心で回る世界に…幸せなんか存在しない。

その世界に、お姉ちゃんは笑みを浮かべていない。

誰も幸せになんかなっていない。







「―――花梨?」





誰かが、驚き交じりに私の名前を呼ぶ。
記憶を取り戻してから、お姉ちゃん以外で聞く…上品で耳心地の良い女性の声。





「………え……?」




そこにいたのは……



昨日、私が破いたお姉ちゃんのワンピースを思い出す。

そのワンピースは、お姉ちゃんの誕生日プレゼントだ。



そして、それを贈ったのは……




「花梨…どうしたの!?酷く顔色が悪いわ」




祖父母だ。

その1人…お祖母ちゃんが、ここにいる。




「お祖母ちゃん……」


「……」




私を見る目は、心配の目でもあり…孫を慈しむ目でもあり……どこか怒りに満ちている様にも見える。




多分だけれど、既に鬼龍院家が祖父母に連絡を入れている頃だろう。
明日、お姉ちゃんは正式に、祖父母の子供として養子縁組の手続きをするのだから。




「……あの、お祖母ちゃん。私―――」




ぐいっ、と私の肩が引き寄せられる。




「…今、花梨は少し具合が悪いのです。祖母と言えど、これ以上―――」




「…ま、待って瑶太!」




「!花梨…」




思わず少し声を荒げてしまった…
お店の従業員さん、すみません…!

・→←祖母と再会しました。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
設定タグ:鬼の花嫁 , 転生 , 悪女
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

氷柱(プロフ) - 真理さん» 姉妹の両親に関しては、原作でもスカッとしましたが、あれ以上に色々とやりまくる予定です。もう本当許せませんもん。しかし瑶太に関しては賛否両論覚悟ですが、救済措置を与えようか考えています。まぁこの後ドキツイお仕置きを受けて痛い思いをさせるのは確定ですが。 (12月6日 23時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» スカッととクズ共(両親と瑶太)地獄落ちの末路、期待していますよ(ニヤリ) (12月6日 21時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» コメント有難うございます。原作でも、家族の縁を切ったにも関わらず柚子に迫りましたからね…ある意味どんな幽霊や妖怪よりも恐ろしい人間です。 (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - シャリファさん» 勿論瑶太は色々とやらかしてますが、更に原作と違って、玲夜の花嫁だと知った上で柚子を害そうとしましたから、それはもう恐ろしいなんてものじゃないですね… (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - こんな奴らと、早く縁を切ってほしいね。 (12月5日 20時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:氷柱 | 作成日時:2023年7月30日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。