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そうか…柚子は…お姉ちゃんはまだ、あやかしの花嫁がどんなものなのか…どれだけあやかしの弱点になるのか、分からないんだった。
昨日の今日で「君はあやかしの花嫁だ」とか言われても、分からない事だらけ。色々と聞こうにも、状況的にそれどころじゃなかったものね。
まぁ、天敵の私があやかしの花嫁だからか、それ関連については「聞きにくい」どころか無意識に避けてたものね…
けれど…本当の事を言って怖がらせるのも嫌だしな…
「…詳しくは言えないと言うか…そういうのは、お姉ちゃんに惚れたあやかし様にでも聞いたら?その方が良いと思うし」
「……そう、なの?」
「ええ。ただ1つ言えるのは……あやかしの花嫁は、良くも悪くも本当に特別な存在よ」
「特別な、存在―――」
「そうだ、花梨は特別な存在だ。お前みたいな女と違ってな」
ドンッ、とお姉ちゃんが突き飛ばされる。
「あ……!」
お姉ちゃんが抱えていた荷物が、その反動で川に落ちる。
私はぐいっ、と引き寄せられる。
「瑶太、貴方……!」
「俺の花梨の大事な時間をこれ以上拘束するな。どれだけお前は花梨の邪魔に…いや、害になっているのか、身を持って知れ」
「……」
もしかして、またお姉ちゃんが燃やされるんじゃ…とは思ったけど、そうはならなかった。
瑶太はお姉ちゃんを怖い目で睨み付けると、強引に私を車に乗せ、自身もすぐに乗る。
「お姉ちゃん…」
お姉ちゃんは私を悲しそうな目で見た後、すぐに荷物を取りに川へ向かう。
…原作と同じ流れになってしまった。
お姉ちゃんの荷物と制服が川に落とされる…それが私か瑶太か、というだけで。
________
……花梨、どうしたんだろう。
今までとは打って変わって、私を気遣うような目で見て…
花梨なりに色々考えてくれたのだろうか。
同情かもしれない。
一瞬でも、私の事を、本当の家族として見てくれたのかもしれない。
それでも花梨を信じられない私は、最低な姉だと思う。
仲の良い姉妹には、どうあってもなれない…かもしれない。
でも…
―――……やめなさい、瑶太!!
―――…帰る場所が出来て良かったじゃない
―――お母さんもお父さんも…私だって、お姉ちゃんを今まで邪険に扱ったんだから。それに…昨晩だって、お母さんとお父さんは、お姉ちゃんの腕よりも、瑶太の宥めるのに必死で…
―――……ごめん
まだ、望みを捨て切れてなかったんだな…私…
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氷柱(プロフ) - 真理さん» 姉妹の両親に関しては、原作でもスカッとしましたが、あれ以上に色々とやりまくる予定です。もう本当許せませんもん。しかし瑶太に関しては賛否両論覚悟ですが、救済措置を与えようか考えています。まぁこの後ドキツイお仕置きを受けて痛い思いをさせるのは確定ですが。 (12月6日 23時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» スカッととクズ共(両親と瑶太)地獄落ちの末路、期待していますよ(ニヤリ) (12月6日 21時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» コメント有難うございます。原作でも、家族の縁を切ったにも関わらず柚子に迫りましたからね…ある意味どんな幽霊や妖怪よりも恐ろしい人間です。 (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - シャリファさん» 勿論瑶太は色々とやらかしてますが、更に原作と違って、玲夜の花嫁だと知った上で柚子を害そうとしましたから、それはもう恐ろしいなんてものじゃないですね… (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - こんな奴らと、早く縁を切ってほしいね。 (12月5日 20時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷柱 | 作成日時:2023年7月30日 0時