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意地悪そうに、けど答えなさい!と言わんばかりの態度…うん、悪女らしいんじゃない?
読者だった私は、もうお姉ちゃんが鬼の花嫁になった事は知っているけれど…でも、腕に関しては悪女の花梨が疑問に感じていたのだから、逆に聞かない方が違和感を覚えるわよね?
「(花梨…もしかして、私の腕を気に掛けてくれるのかな?)」
「わ、私は…お姉ちゃんの腕がどうなろうと知った事じゃないけど……あの痛みに耐えられる訳ないし…むしろ消えない傷を付けられたのだから…女性なら尚更ショックで堪らないでしょうしね!」
「(…花梨なりに寄り添ってくれてる?いや…まさか、ね)」
もう!お姉ちゃんも何か反論しなさいよ!
これだけ嫌味満載の意地悪発言をしてるんだから!
こうなったら…もう少し責めるしかないわね。
「ま、まぁ…そうね。お姉ちゃんがあやかしの花嫁になったのなら、その人に治してもらった…なーんてね」
「そうなの」
「本当なの?お姉ちゃんが?」
「うん…」
「へぇー…どんくさいお姉ちゃんでも、花嫁の素質があったのねー…」
何だか、逆に段々苦しくなってきたなぁ…もう私、お姉ちゃんが鬼の花嫁なの知ってるし。
こういう所だけ記憶持ちっていうの、なんかネタバレ感というか…萎える。
「ま、お姉ちゃんがどんなあやかしの花嫁でも、私には関係ないし。それに…帰る場所が出来て良かったじゃない」
「え?」
「あの家に、お姉ちゃんの居場所なんてないわよ。そんなのお姉ちゃん自身が分かり切ってる事でしょ?」
「っ……」
「というか、あんなのを居場所にしたいなんてまず思わないでしょ。お母さんもお父さんも…私だって、お姉ちゃんを今まで邪険に扱ったんだから。それに…昨晩だって、お母さんとお父さんは、お姉ちゃんの腕よりも、瑶太の宥めるのに必死だったし…」
「……」
…本当に、柚子は18年間…どんな思いで過ごして来たのだろう。
読者の私でさえも、その苦しみと痛み…悔しさや嫉妬…それを抑えて耐えて来たその気持ち、分かる訳ない。
「……ごめん」
そんな花梨に転生してしまった私は、彼女に対して謝罪と…どう償えば良いのか、考えてしまうのだ。
「花梨、私はもう大丈夫だから。腕もだけど…ワンピースも直してもらったし」
「そう…」
「…瑶太をこれ以上待たせたらまずいんじゃない?昨日の事もあるし、私から花梨を守る為に一緒にいる…のよね?」
「?そういう訳じゃないと思うけど」
「え?」
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氷柱(プロフ) - 真理さん» 姉妹の両親に関しては、原作でもスカッとしましたが、あれ以上に色々とやりまくる予定です。もう本当許せませんもん。しかし瑶太に関しては賛否両論覚悟ですが、救済措置を与えようか考えています。まぁこの後ドキツイお仕置きを受けて痛い思いをさせるのは確定ですが。 (12月6日 23時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» スカッととクズ共(両親と瑶太)地獄落ちの末路、期待していますよ(ニヤリ) (12月6日 21時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» コメント有難うございます。原作でも、家族の縁を切ったにも関わらず柚子に迫りましたからね…ある意味どんな幽霊や妖怪よりも恐ろしい人間です。 (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - シャリファさん» 勿論瑶太は色々とやらかしてますが、更に原作と違って、玲夜の花嫁だと知った上で柚子を害そうとしましたから、それはもう恐ろしいなんてものじゃないですね… (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - こんな奴らと、早く縁を切ってほしいね。 (12月5日 20時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷柱 | 作成日時:2023年7月30日 0時