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｢･･････帰って。ここはエレンの居る場所じゃない｣
吐き捨てるように思ってもいない言葉を口から発する。
その度に私の心のどこかから少しずつ何かが擦り切れていくような感覚がした。
けれど、その場を動こうとしないエレンに余計心が苦しくなる。
｢･･･っ･･･A！｣
絞り出す様に呼ばれた私の名はあまりにも痛切な幼子の悲鳴のようで聞くに堪えなかった。
それでも私は反応する訳にはいかない。
もうエレンもなにも誰も私なんかに構う必要なんてないんだ。
だからもう放っておいてほしい。
そう思った瞬間、目から静かに涙が頬を伝った。
それがバレないようにゆっくりと顔を上に上げる。
｢A！｣
再度私の名を呼ぶエレンの声に反応してしまいそうになる口をなんとか紡ぐ。
別に私はリヴァイ班が嫌いなわけではない。
エレンは･･････――いや･･････リヴァイ班は皆私にとってのいい人だ。
だから･･･――
｢返事、しろよ｣
そう言ったエレンの言葉と同時に部屋の扉が開いた。
｢エレン 帰ろうか｣
｢分隊長･･･････｣
エレンを呼ぶその声は間違いなく分隊長のものだった。
まさか話を聞かれてしまっていたのではないかと危惧して振り向けば、
｢あぁ安心して。話は聞いてない。そろそろ陽が落ちるから呼びに来ただけさ｣
そう言っていつになく真剣な表情で返答する分隊長。
きっと会話なんて聞いていなくてもこの人は察っしているのだろう。
普段飄々としているくせにこういうときには洞察力が鋭いからこの人は困る。
｢わかりました。帰ります｣
分隊長に言われて大人しく帰る気になったらしいエレン。
多少怒っているのか、振り返った私の顔を見ようともせずに出口へとふりかえる。
あれだけ酷い対応を取っておきながらなんだかそれが少し寂しくも感じてしまった私はきっとずるいのだろう。
そう。
リヴァイ班は私にとっていい人達だ。
私はただそのいい人を私の手の届かないところに、傷つけてしまわないように逃がしたいだけなんだ。
決して誰にも知られてはいけない心の内側。
さらし方すらわからない心の内側。
エレンと分隊長がいなくなったあとにこれでいいんだと納得するにはどうやら気持ちはそう簡単にはいってくれなかった。
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history(プロフ) - 哀@01さん» ありがとうございます そうですね そろそろ徐々に入っていきます (2014年4月26日 19時) (
レス) id: 2db8f35077 (このIDを非表示/違反報告)
哀@01 - すごく面白いです！そろそろ恋愛展開に……………！？更新楽しみにしてます☆ (2014年4月26日 8時) (レス) id: 219a7b106b (このIDを非表示/違反報告)
history(プロフ) - 木苺さん» ありがとうございます 頑張って更新していきたいと思います (2014年4月15日 0時) (レス) id: 2db8f35077 (このIDを非表示/違反報告)
木苺(プロフ) - 面白いぜ！更新頑張ってくれだぜ！ (2014年4月13日 1時) (レス) id: 2ca9cc3852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｓ | 作成日時：2014年4月12日 18時
