《文スト》家に帰ると嫁が土下座をしている

土下座六回目 ページ6

室内に入ると中也さんは既にソファーに座っていて、ソファーの横に手荷物を置いていた。

中也さんとは対になるソファーに腰掛けると視線を逸らさずに確りと見詰められた。

気まずくて視線を逸らしてしまい顔中が赤くなった。すると、中也さんが口を開き話始めた


「その………、何時も助けられているのは俺の方で感謝の気持ちなンて俺が云いたいんだ。

何時も気遣い有り難うな。

大抵、手前の方が早く終わって帰るのに俺が帰る迄飯作って起きててくれて、この前だって俺が疲れて寝てた時外套掛けてくれたの手前だろ？

書類整理迄手伝ってくれるし、部屋が多少散らばったら片付けてくれるし、兎に角色んな面で助かってる、有り難うな」



否、嫁である以上此れは当たり前だと思っていたし幹部だから、予想以上に苦労している事も判っている。

尾崎幹部の補佐である以上書類整理は得意とする、時間が惜しい事は首領からの任務があるから仕方無い。

矢張、当たり前の事をやっているとしか思えない

腕を引っ張られ体制を前のめりになると唇に一つ口付けを落とし顔が亦熱くなった


「だから、御褒美……な？」


悪戯に歯を見して笑う中也さんは迚もズルくその度に一層好きになってしまう私がいる。

私も敬意の気持ちも込めて口付けを落としすと中也さんは笑って抱き締めてくれた、私はこの時間がとても好きで何時までも続けば良いのに……と目を閉じて願った。

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