102.ブルーグレイに堕ちる《S》 ページ10
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ジャケットに入れっぱなしの携帯電話とタバコの箱をテーブルに置いて、脱いだままそれをソファの背に掛けた
まだ冷えてある缶ビールを喉に流し込んで、深く呼吸を落とした
美味い酒もマズくなるような状況に、無意識にため息ばかりが落ちてくる
加奈子「なぁに?このストラップ(笑)こんなの趣味だった?」
彼女の言葉に、無駄に心臓が反応をする
当たり前の答えを当たり前に返せばいいだけ
なのに、過剰に体が反応したのは
ストラップを指摘された瞬間に倉持の顔が頭の中を通り過ぎたからだ
翔「……生徒からもらったんだよ。」
加奈子「ふーん。まさか、女生徒?」
翔「…………。」
加奈子「せんせ?答えてよ(笑)」
翔「…………。」
加奈子「櫻井せんせ?(笑)」
翔「…………。」
加奈子「見た目だけはどんな先生よりもステキ。そうやって少しだけ情けない顔を見せるところも、女心をくすぐるのよね(笑)」
翔「…………。」
加奈子「昔はあんなに尖ってたのにね。人間、変われば変わるものよね(笑)」
おかしそうに笑う彼女に、一層苛立ちが募る
手にした缶ビールは既に空に近くて、一本しか買わなかったさっきの自分に後悔していた
翔「何しにきたんだ……、嫌味を言いにきただけなら帰ってくれな……。」
加奈子「別に?嫌味を言いに来たわけじゃないのよ。」
翔「……じゃあ、なんだよ……。」
加奈子「あなたとやり直せないかなぁって思っただけ。」
翔「…………。」
彼女の言葉をどこかで察していながら、実際にそれを口にされると落胆にも似た想いが湧き上がってきている
翔「俺はやり直すつもりなんてな……。」
加奈子「ない、なんて言わせないんだから(笑)」
翔「…………。」
加奈子「別れ後だってこうやってわたしを受け入れてるのは、翔にとってメリットがあったからでしょう?」
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四葉(プロフ) - 咲さん» 言われるとほんと、ピュワー(笑)初めての恋だからなかなか攻めてはいけないかな……ぐらいで書いてたんですけど(笑)手つなぎ第一歩。次に番外編を書くときはちゅーぐらいさせたいんですけどね( *`艸´) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - やっこさん» 初めまして(〃艸〃)ありがとうございます!黒い(`・3・´)さんも書いてるのはとても楽しいんだけどね(笑)今回は黒い部分は封印して、爽やか一直線(ちょいダサ)でいけたらなぁって思ってます( *`艸´)完結する頃に(`・3・´)さんの人格変わってませんように(笑) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 奈穂さん» 全巻読んだのか私……よく覚えてないんだけどー|ω・`)全国制覇したのかしらん?押入れにしまっておいた(つもりだった)のに親にいらない本と思われて捨てられちゃったんだけどね(´;ω;`) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ピュアピュアで可愛い二宮くんのお話ありがとうございました(*´艸`*)手を繋ぐのに物凄いエネルギーと勇気を使って行動におこす、それも青春の1ページですね(*´艸`*)そんな可愛い想い出私も欲しかったです(笑)番外編も期待してます♪本編の続きも楽しみにしてます♪ (2015年6月21日 7時) (レス) id: edca62902a (このIDを非表示/違反報告)
やっこ(プロフ) - 四葉さんのお話を読ませてもらっているのにコメはきっとはじめまして。黒翔にどっぷりハマって爽やか翔のこのお話にもドキドキして楽しんでいます♪ニノちゃんのその後も読んでみたいです~番外編でも長編でも楽しみにしてます(*^^*) (2015年6月21日 7時) (レス) id: 7f9aa0c8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四葉
作成日時:2015年5月20日 18時