101.男のプライド《S》 ページ9
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加奈子と別れたのは、三年以上前のこと
教師としてもまだ駆け出しで、忙しさを理由にする俺に愛想を尽かして
別の男の元へと離れていった
それなのに、こうして未だにアパートにまでやってくる加奈子に、鍵を返せとも言えず下手に出ている俺は
加奈子からすればいいように出来る都合のいい男にしか捉えられていないのだろう
男とケンカをした
たまに顔を見たくなった
何となく思い出した
そんな理由だけで別れた男に会いに来る彼女の魂胆が
いまいち分からない
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加奈子「そう言えば、初めて担任を受け持ったんでしょ?」
翔「あぁ。」
加奈子「生徒の顔と名前を覚えるだけでも大変よね?」
翔「そんなことはないよ、意外と覚えられるもんだよ。顔と名前を覚えるのは得意だから。」
加奈子「ふーん……。もしかしたら覚えられるのはあなたを好きな女の子ばっかりだったりして?」
翔「…………。」
加奈子「学校でも女の子にモテるでしょう?あれぐらいの年代の子って、年上の男の人に憧れちゃうもんなのよね(笑)」
翔「俺じゃなくったって、人気のある教師は他にもいるよ。」
加奈子「ふーん……まぁ、どうでもいいんだけどね?」
翔「…………。」
自分から話を振ったくせに
彼女はまるで興味がないような返事をする
そんな彼女に若干の呆れた気持ちも含むため息と苦笑いが
ひとつ、溢れていた
まるで自分の家のように
彼女はソファーの真ん中に深く腰をかけて、コンビニ袋を持ったまま立ち尽くす俺を見上げた
どこかで俺を見下しているその態度に苛立ちを隠せずに
乱暴にコンビニ袋をテーブルに置いたのは、無意識からのもの
缶ビールの重みが、思った以上に鈍い音を立ててテーブルを打ちつける
驚いた彼女の視線がゆっくりと持ち上がって
辛うじて笑っていた唇からは、その笑みを消した
加奈子「なぁに?なんか、怒ってる?」
翔「……別に。」
加奈子「わたし、何か気に障るようなこと言った?」
気持ちを逆撫でするような言葉は、彼女の常とう手段
それに何も言い返さないから尚更、彼女の言葉もエスカレートしていくのかも知れない
それを分かっていながら、自由にさせている俺に
一番問題があることも、また事実なんだろうな
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四葉(プロフ) - 咲さん» 言われるとほんと、ピュワー(笑)初めての恋だからなかなか攻めてはいけないかな……ぐらいで書いてたんですけど(笑)手つなぎ第一歩。次に番外編を書くときはちゅーぐらいさせたいんですけどね( *`艸´) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - やっこさん» 初めまして(〃艸〃)ありがとうございます!黒い(`・3・´)さんも書いてるのはとても楽しいんだけどね(笑)今回は黒い部分は封印して、爽やか一直線(ちょいダサ)でいけたらなぁって思ってます( *`艸´)完結する頃に(`・3・´)さんの人格変わってませんように(笑) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 奈穂さん» 全巻読んだのか私……よく覚えてないんだけどー|ω・`)全国制覇したのかしらん?押入れにしまっておいた(つもりだった)のに親にいらない本と思われて捨てられちゃったんだけどね(´;ω;`) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ピュアピュアで可愛い二宮くんのお話ありがとうございました(*´艸`*)手を繋ぐのに物凄いエネルギーと勇気を使って行動におこす、それも青春の1ページですね(*´艸`*)そんな可愛い想い出私も欲しかったです(笑)番外編も期待してます♪本編の続きも楽しみにしてます♪ (2015年6月21日 7時) (レス) id: edca62902a (このIDを非表示/違反報告)
やっこ(プロフ) - 四葉さんのお話を読ませてもらっているのにコメはきっとはじめまして。黒翔にどっぷりハマって爽やか翔のこのお話にもドキドキして楽しんでいます♪ニノちゃんのその後も読んでみたいです~番外編でも長編でも楽しみにしてます(*^^*) (2015年6月21日 7時) (レス) id: 7f9aa0c8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四葉
作成日時:2015年5月20日 18時