100.月光《S》 ページ8
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翔「……来て、たのか。」
加奈子「ダメだった?何だか顔が不満そう(笑)」
翔「いいわけ無いだろう?加奈子が俺のところに来る理由がない。」
加奈子「理由がなきゃ来ちゃダメなの?」
彼女は何の悪気さえも無いように、昔と変わらない笑顔を俺に向ける
そんな彼女に付き合っていた頃の錯覚を起こしそうになったのも、また事実
翔「当然だろう?もう恋人同士ってわけでもないんだから。」
加奈子「元、が付いてるんだからいいじゃない(笑)」
綺麗に唇を緩めて彼女は笑う
恋人同士じゃない
改めてそう口にしたのは、自分に言い聞かせるためのものだったのかも知れない
別れても尚、馴れ合いのような関係が続いてたのは事実
アパートまで押しかけてきたとなると彼女にだってそれなりの理由があるからだ
翔「また、男とケンカでもしたのか?来るなら来るで連絡ぐらい……。」
加奈子「連絡したってわたしのことなんてスルーするじゃない(笑)」
翔「スルーなんて、してないよ。……今は新しい学校に慣れなくて忙しいだけだよ。」
加奈子「そう?でも……忙しくったって、メールの返信ぐらい出来るでしょう?」
翔「…………。」
加奈子「てか、相変わらずコンビニのお弁当?作ってくれる彼女ぐらいさっさと作ればいいのに。」
翔「…………。」
加奈子「それとも、まだ料理もろくに作れないような女の子が相手だとか?」
翔「…………。」
ピンク色に光る唇が、嫌味を込めたような笑いを浮かべる
よく喋る唇に圧倒されながらも、それに反論することも出来ず
彼女の言葉に、ただ黙り込んだ
言いたいことを好きなように言うこの性格には、どうしても馴染むことが出来なかった
出会った頃とは別人のように変わってしまったのは
もしかしたら、俺のせいなのかも知れない
そう思いながらも認めたくはない俺もいた
そんな彼女をウザったく思いながらも、はっきりと拒否することのできない俺は
長いものに巻かれろ的な社会の、象徴的な社会人なのかも知れない
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四葉(プロフ) - 咲さん» 言われるとほんと、ピュワー(笑)初めての恋だからなかなか攻めてはいけないかな……ぐらいで書いてたんですけど(笑)手つなぎ第一歩。次に番外編を書くときはちゅーぐらいさせたいんですけどね( *`艸´) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - やっこさん» 初めまして(〃艸〃)ありがとうございます!黒い(`・3・´)さんも書いてるのはとても楽しいんだけどね(笑)今回は黒い部分は封印して、爽やか一直線(ちょいダサ)でいけたらなぁって思ってます( *`艸´)完結する頃に(`・3・´)さんの人格変わってませんように(笑) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 奈穂さん» 全巻読んだのか私……よく覚えてないんだけどー|ω・`)全国制覇したのかしらん?押入れにしまっておいた(つもりだった)のに親にいらない本と思われて捨てられちゃったんだけどね(´;ω;`) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ピュアピュアで可愛い二宮くんのお話ありがとうございました(*´艸`*)手を繋ぐのに物凄いエネルギーと勇気を使って行動におこす、それも青春の1ページですね(*´艸`*)そんな可愛い想い出私も欲しかったです(笑)番外編も期待してます♪本編の続きも楽しみにしてます♪ (2015年6月21日 7時) (レス) id: edca62902a (このIDを非表示/違反報告)
やっこ(プロフ) - 四葉さんのお話を読ませてもらっているのにコメはきっとはじめまして。黒翔にどっぷりハマって爽やか翔のこのお話にもドキドキして楽しんでいます♪ニノちゃんのその後も読んでみたいです~番外編でも長編でも楽しみにしてます(*^^*) (2015年6月21日 7時) (レス) id: 7f9aa0c8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四葉
作成日時:2015年5月20日 18時