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速水先輩が綺麗に笑う
それを見て、どこか非現実的な世界にいた自分が
急激に現実世界へと引き戻されていく
速水先輩を抱きとめていた手のひらも汗びっしょりで
慌ててその手を離して、制服のズボンにごしごしと手を拭った
瞬く星空が、俺たちを淡く照らす
まだ未熟な恋のカケラたちが、俺たちの足元を照らす
もしかしたら、俺だってストーカーまがいのことをしているかも知れない
好きになりすぎて自分が抑えきれなくなって、速水先輩に嫌われるようなことだってしてるかも知れない
好きの気持ちは、人を狂わせる
周りなんてどうでも良くなってしまうほど
自分の欲望に走ることだってあり得るんだから────
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速水「いこっか……//」
和也「はい……。」
さっきの俺の言葉は、ちゃんと聞こえていたはずなのに
速水先輩は交わすように俺の一歩前を歩き出した
それ以上の言葉は何も言わず
そして俺も何も言わず
ただ黙ったまま、先輩の一歩後ろをついて歩いた
速水先輩が何を思ってるのかなんて、何も分からないけれど
照れくさい顔は見せても、迷惑な顔をしてないように見えているのは
俺の願望だけじゃないはず
このまま何も言わず、速水先輩の空いたままの右手を繋いだら
一歩、恋に踏み出せるかも知れないのに────
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速水「じゃ、わたしこっちだから……。」
駅へと曲がる交差点で、速水先輩はネオンの向こうを指差す
二人で歩いていても、ろくに話なんてできなかったこの時間
離れるのが惜しくて
「バイバイ。」って手を振った速水先輩に振り返すことも出来ずにいた
さっき振り絞った勇気なんて、跡形もなく消え去っていて
クルリと背中を向けた速水先輩の後ろ姿を、名残惜しみながらただじっと見つめていた
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俺のこと、好きだなんて言ってくれなくていい
俺が好きなんだから、それだけでいい
その想いを全部、全部
伝えることも、今の俺には勇気が足りなすぎてた
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四葉(プロフ) - 咲さん» 言われるとほんと、ピュワー(笑)初めての恋だからなかなか攻めてはいけないかな……ぐらいで書いてたんですけど(笑)手つなぎ第一歩。次に番外編を書くときはちゅーぐらいさせたいんですけどね( *`艸´) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - やっこさん» 初めまして(〃艸〃)ありがとうございます!黒い(`・3・´)さんも書いてるのはとても楽しいんだけどね(笑)今回は黒い部分は封印して、爽やか一直線(ちょいダサ)でいけたらなぁって思ってます( *`艸´)完結する頃に(`・3・´)さんの人格変わってませんように(笑) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 奈穂さん» 全巻読んだのか私……よく覚えてないんだけどー|ω・`)全国制覇したのかしらん?押入れにしまっておいた(つもりだった)のに親にいらない本と思われて捨てられちゃったんだけどね(´;ω;`) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ピュアピュアで可愛い二宮くんのお話ありがとうございました(*´艸`*)手を繋ぐのに物凄いエネルギーと勇気を使って行動におこす、それも青春の1ページですね(*´艸`*)そんな可愛い想い出私も欲しかったです(笑)番外編も期待してます♪本編の続きも楽しみにしてます♪ (2015年6月21日 7時) (レス) id: edca62902a (このIDを非表示/違反報告)
やっこ(プロフ) - 四葉さんのお話を読ませてもらっているのにコメはきっとはじめまして。黒翔にどっぷりハマって爽やか翔のこのお話にもドキドキして楽しんでいます♪ニノちゃんのその後も読んでみたいです~番外編でも長編でも楽しみにしてます(*^^*) (2015年6月21日 7時) (レス) id: 7f9aa0c8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四葉
作成日時:2015年5月20日 18時