103.メリットorデメリット《S》 ページ11
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彼女の意味深な言葉に思い当たる節があるだけに、言い返すことさえできない
その言葉の続きを持つわけではないけれど、黙ったまま目を合わすことも出来ず
その場を凌ぐように、目に入ったタバコの箱からその1本を取り出した
加奈子「ねぇ?どうして翔があの学校に採用されたか知ってる?」
翔「…………。」
加奈子「わたしが父にあなたの採用をお願いしたのよ?」
翔「…………。」
加奈子「どこの学校だって、過去の不祥事まで調べ上げるでしょう?それを揉み消してもらったの。」
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火のつけられたタバコの煙が、目の前でゆらゆらと揺れる
何となく予想していた事実を突きつけられて
俺の中には落胆の色しか見つけることが出来なくなっていた
翔「不祥事なんて……俺はなにもしてな……。」
加奈子「噂は嘘であれ本当であれ、教育現場には好しくないことぐらい分かってるでしょう?」
翔「…………。」
加奈子「やり直したいのよ、わたし。だから翔のために頑張ってみたの。」
翔「…………。」
加奈子「他の誰かと付き合ってみても、やっぱり翔といるのが……。」
翔「俺は、やり直す気はないよ。」
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彼女の言葉をピシャリと止めて、今の自分の気持ちをはっきりと告げた
学校の理事会に君臨していた彼女の父親の名前に驚いたのは本当のこと
採用試験に彼女の父親が関わっていくことぐらい薄々は気づいていながら
見て見ぬふりをしていた
だけど、こうやって直接告げられると『知らなかった』でやり過ごすわけにもいかなくなる
やり直すつもりはない
けれど、邪険に扱うことも────できない
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加奈子「過去の女生徒との不祥事、なんて……そのストラップの子が聞いたらどう思うかな。」
翔「倉持は関係ない……。」
加奈子「倉持さんっていうの(笑)その子とまた、変な噂でも立ったら……学校にいられないだけじゃなく、今度こそ教員免許、剥奪されちゃうからね?」
翔「…………。」
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彼女の唇が、いやらしく笑う
俺の弱味に漬け込んでいいようにしたいなら
それを利用するのも、一種の手────なのかも知れない
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四葉(プロフ) - 咲さん» 言われるとほんと、ピュワー(笑)初めての恋だからなかなか攻めてはいけないかな……ぐらいで書いてたんですけど(笑)手つなぎ第一歩。次に番外編を書くときはちゅーぐらいさせたいんですけどね( *`艸´) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - やっこさん» 初めまして(〃艸〃)ありがとうございます!黒い(`・3・´)さんも書いてるのはとても楽しいんだけどね(笑)今回は黒い部分は封印して、爽やか一直線(ちょいダサ)でいけたらなぁって思ってます( *`艸´)完結する頃に(`・3・´)さんの人格変わってませんように(笑) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 奈穂さん» 全巻読んだのか私……よく覚えてないんだけどー|ω・`)全国制覇したのかしらん?押入れにしまっておいた(つもりだった)のに親にいらない本と思われて捨てられちゃったんだけどね(´;ω;`) (2015年6月21日 22時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ピュアピュアで可愛い二宮くんのお話ありがとうございました(*´艸`*)手を繋ぐのに物凄いエネルギーと勇気を使って行動におこす、それも青春の1ページですね(*´艸`*)そんな可愛い想い出私も欲しかったです(笑)番外編も期待してます♪本編の続きも楽しみにしてます♪ (2015年6月21日 7時) (レス) id: edca62902a (このIDを非表示/違反報告)
やっこ(プロフ) - 四葉さんのお話を読ませてもらっているのにコメはきっとはじめまして。黒翔にどっぷりハマって爽やか翔のこのお話にもドキドキして楽しんでいます♪ニノちゃんのその後も読んでみたいです~番外編でも長編でも楽しみにしてます(*^^*) (2015年6月21日 7時) (レス) id: 7f9aa0c8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四葉
作成日時:2015年5月20日 18時