42.オレンジ ページ42
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ドクン
どうして時計を見ただけなのに、心臓が強く鳴ってるんだろう
時計を眺めて一瞬だけ目を細めた櫻井先生の動きが、ストップモーションのように見えて心に焼きついていた
翔「あと、1時間ちょっとか……。」
A「……ぇ？」
翔「部活の終了時間だよ。彼氏の部活が終わるまでには解放してやるから(笑)」
櫻井先生はガタガタと机を移動させて二つを向かい合わせた
「ほら、座って。」って、一つの椅子を私用に引いてくれて
遠慮がちに私がそこに座ると、占めたような顔を見せて笑って
向い側に並べた椅子に座った
翔「これとこれとこれ。一枚ずつ半分に折って綴るだけだから。」
カラーコピーされた三種類のプリントをひとつずつ指差して、見本を見せるように一枚ずつ折り始めた
だけどそのプリントは折った端が微妙にずれていて、三枚をまとめてみてもいまいちキレイにまとまってくれない
翔「ほらな？ズレるんだよ(笑)不器用なんだよ、俺(笑)」
A「ちゃんと端っこを揃えないからですよ。」
翔「揃えてるって！なのに折った瞬間にズレる(笑)」
折ったプリントをポイッと机の端に放って
翔「頼むよ？」
そう言って、綺麗に笑った
櫻井先生の笑顔が
薄闇の中に溶け込む
夕陽が沈みかけた教室には薄暗さだけが次第に襲ってきていて
昼間とは違うその空気感に、無意識に緊張してきてる気がしてた
櫻井先生は影の中にいても、雅紀くんみたいな儚さなんて何も感じられなくて
むしろ、どこにいてもその存在感の大きさに
心が奪われているような気がしてた
一枚のプリントに折り目をつけて、すー…っと指先を滑らせる
私は、櫻井先生のプリントよりは綺麗な折れ目に
目一杯の得意顔をして見せた
翔「おー、上手い上手い(笑)」
A「先生よりは……綺麗に出来たみたいです。」
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だって、そうでもしなきゃ
二人きりのこの時間にドキドキしてるのがバレてしまいそうで
櫻井先生を好きになっている自分を認めてしまいそうで
怖かくて仕方なかったからだ────
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さち(プロフ) - 四葉さん！はじめまして！さちと言います。もーﾄﾞｷﾄﾞｷが止まらないです☆私は四葉さんの表現する情景とかがすごい好きです。自分で想像できますもんね？どんどん読み進めていきたいです！いっぱいﾄﾞｷﾄﾞｷさせて下さい（笑） (2015年9月7日 11時) (
レス) id: c724a1f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - kukuさん» 私も学生に戻りたいー！なんなら人生やり直したいー！そんな諦めの人生送ってますけど、妄想だけは諦めてないZE☆ (2015年4月23日 20時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - まみさん» 降臨！降臨っていえば帝王降臨……みたいに感じちゃうんだけど(笑)黄昏る教室ではいつもの教室とはまたちがう雰囲気で……ってことで( ＊｀艸´) (2015年4月23日 20時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - YOHさん» ありがとうございまーっす( *｀艸´)なんとなーくな雰囲気を出したいだけのために無駄な背景描写までしちゃうんだけどね！いや、きっと無駄じゃない！って思ってる！！ (2015年4月23日 20時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 奈穂さん» 保健室の先生ってEROいイメージしかないんだけどねー、実際保健室に行ってもEROさなんてこれっぽっちもない年配の先生がいたりして|ω・`)穏やかな保健室の空気に惑わされちゃう！ (2015年4月23日 20時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四葉
作成日時：2015年3月28日 17時
